改めて思ったのは、客観的に見ると「俺たちはコンテンツをつくっているのだなぁ」ということ。当たり前だけど、この本の筆者も音楽は、one of themでとらえている。
最初に「コンテンツ」という言葉を聞いた時は、とても抵抗感と違和感があった。アーティストとスタッフが、精魂込めてつくっていうのは「作品」だから。そんな言い方で、軽々しく扱ったり、語ったりするなよ!っていう気分。正直それは、今でもある。
でも、僕はスタンスを変えることにした。アーティストは「作品」を作り続けて欲しいし、その環境を提供したいと思うけれど、アーティストとユーザーをつなぐ仕事をしている僕たちは、「コンテンツ」を流通させて、お金に換えなければいけない。大切なのは、アーティスト(作品)とユーザーで、それ以外は、何でもいいんだ。
D.I.Y.(=Do it yourself)という言葉が、広まったのはいつ頃からか、覚えてないが、アメリカ西海岸発だったようなイメージがある(詳しい方がいたら教えてください!)。大量生産の工業製品的な音楽に対するアンチテーゼが、そこには含まれている。
宅録という言葉には、秘められた行為というニュアンスがある。孤独と向き合うことともセットだ。
いずれにしても「わざわざ自覚的に選んで行う」のが、宅録〜D.I.Y.なのだ。社会に対する一定の距離感、自己責任、みたいなことはセットになっている。