2015年4月18日土曜日

「コーライティング」を日本の全作曲家に知って欲しい〜『コーライティングの教科書』出版したよ。

 7冊目となる書籍『最先端の作曲法・コーライティングの教科書』が4月17日に出版された。前作『とびきり愛される女性になる。恋愛ソングから学ぶ魔法フレーズ』に続く、伊藤涼さんとの共著。本のテーマ通り2人でコーライティングした著作だ。

 プロ作曲家を超実践的に育成するという目的で「山口ゼミ」を一緒に始めた時から、コーライティングを広めるというのも2人のテーマだった。「山口ゼミ」の卒業生の中で、僕らがプロレベルの実力があると認めた者だけが加入できるチームを「Co Writing Farm」と名づけたのも、彼らが日本のコーライティングブームの中心になると期待していたからだ。

 先月、週刊ダイヤモンドに掲載されていた記事。
嵐にEXILE、少女時代…スウェーデン音楽家が世界の作曲を牛耳る理由

この記事では書かれていないけれど、日本で採用されているスウェーデン作曲家の楽曲は、ほとんどの場合コーライティングされた作品だ。
 実は、日本にスウェーデン作曲家が日本で活躍するキッカケをつくった張本人がジャニーズエンターテイメント時代の伊藤涼だったりする。詳細は『コーライティングの教科書』の中で、本人が書いているのでそれを読んで欲しい。「ざけんな!日本の作曲家」というコラムに、彼の叱咤が込められている

 「山口ゼミ」の受講生は160人を超え、CWFのメンバーも45人になった。3ヶ月毎に卒業生が出て、5〜10人くらいが新メンバーになっていくというパターンが確立して、どんどんメンバーが増えている。月1回は新曲試聴会を兼ねたミーティングをしているのだけれど、そのうちにやる場所に困るようになるかもしれない。

 実は、今週末は熱海市網代で、3回めとなる「コーライティングキャンプ」をやっている。CWFメンバー+ゲスト作曲家で、3人一組で2日間で0から作ってデモを完成させるという企画だ。コーライティングの方が歴史は古いから変な言い方になるけれど、「作曲版のハッカソン」みたいな感じで、めちゃ盛り上がるイベントだ。過去2回のキャンプで作られたデモが採用になったのもでてきているので、今回の楽曲も楽しみだ。金曜日の夜から集まって、日曜日の夕方には完成した曲の試聴会をする。

 今回のキャンプの参加者は30人規模で、ゲストのヒロイズムさんなども含めて、いわば身内だけだけれど、9月にはオープンな形で90人位のコーライティングキャンプをやろうと計画している。START ME UP AWARDSの一環で、昨年盛り上がったMUSICIANS’ HACATHONと同時開催を考えている。速報的に、4月22日の「シブハラミーティング」で情報解禁する予定なので、まだ詳しくは書けないけれど。めちゃくちゃ面白いイベントになりそうで、注目して欲しい。今から楽しみだ。
 「シブハラミーティングVol.2のテーマは、SXSW2015徹底レポート(とても役に立って面白い内容なので、是非来てください!)だけど、9月にやろうとしているイベントは、実は、SXSWで感じる「場の力」からインスパイアされた企画だったりする。

 「コーライティング」は、いつの間にかパソコンに向かった孤独な作業になってしまった「作曲」を、人と人とのコミュニケーションに「復権」する方法でもある。
 コンペで高いクオリティが求められる、プロの作曲家にとっては、死活問題的に有益な方法であると同時に、アマチュア作曲家が音楽を楽しむ手法にもなると思うので、『コーライィングの教科書』では、クレオフーガという作曲家SNSとも連携した。作曲家の出会いがスムーズになるようにタグの仕組みなどを考えてくれている。4月と6月に共同イベントもやる予定だ。

 ちなみに、クレオフーガの西尾社長は『80年代生まれの起業家が世界を変える』(スペースシャワーブックス)で紹介している俊英だ。僕の活動が、色々な形でつながってきていて、そのことも嬉しい。

 所詮、人間が一人でできることは限られている。だから人間関係が大切で、セルフィッシュな裏切り者は、結局は何も成し遂げられないものだ。大袈裟に言うと、人生を豊かに生きるために「コーライティング」の思想は役立つはずだ、と密かに思っている。大風呂敷に感じるだろうけれど、騙されたと思って、読んでみて欲しい。

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