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<第1位>
世界の音楽市場は横ばいで、iTunesを中心とするダウンロード型から、Spotifyなどのストリーミング・月額課金型モデルへの移行期。そんなトレンドとはかけ離れて、ガラーケー向けサービス(着うた)の落ち込みをスマホの配信が補えないという周回遅れを走って状態の日本という構図だ。
SXSWに行って感じたのは、音楽サービスに次のイノベーションの気配は無いということ。目立ったのは、Samsungの新音楽サービスMILKの膨大にお金を掛けたPRと、BEATS MUSICへの注目度の高さ、それと先週のTOP1に採り上げた、ニール・ヤング入魂のハイレゾ配信&デバイスのPONOだった。技術やサービスの構造に新規性は無い。
「もうゲームのルールは決まったから、そこで戦って白黒つけようぜ」って感じなのか。トークセッションのテーマもウエアラブルやクラウドファンドや3Dプリンターなどだった。
この状況は日本にとってはラッキーだと思う。現状の音楽デジタル市場は、欧米の周回遅れだけれど、もう一つ先に行かれたら、挽回は大変だ。悪い意味でのガラパゴスで、シュリンクする市場を内向きに守り続けるしか無くなってしまい、海外では欧米プラットフォーマのルール上でコンテンツを出すしかなくなって、主体性は持てなくなる。いわゆる負け組だ。
今ならまだ間に合う。iTunesが広く普及しなかった日本市場は、ストリーミングへの移行がスムーズなはずだ。固定電話網が不十分な国では携帯電話の普及が早いみたいな話。
一旦、ダウンロード配信が市場の中心になった欧米では、ストリーミングはダウンロードの代わりという位置づけになるが、パッケージ市場が健在な日本は、ストリーミングは、古くはジュークボックス、ラジオ局、カラオケといった、音楽を使ったコミュニケーションサービスの進化形と捉える方が自然だ。
パッケージとストリーミングの両輪で日本の音楽市場が活性化すると、世界の音楽市場も上向くということだね、とこのニュースを前向きにとらえたい。
2014年は変化の節目にしなくちゃいけないと思う。
<第2位>
米国はミレニアム法という形で、所定の使用料を支払えば、インターネットサービスを権利者の許諾なしでやれる仕組みがあります。そこの徴収分配を担っているのが、SoundExchangeという団体だ。PANDORAやiHeartなどのインターネットラジオの収益を徴収して、レコード会社とアーティストに折半して分配している。その徴収額は5億9000万ドルという大きな金額になっているそうだ。
日本と米国では著作権法の立て付けも、業界慣習も、ビジネススキームも違うので、全く同じ枠にはできないけれど、いわば「日本型」のSoundExchangeの役割が求められていると思います。
内閣府の知的財産戦略本部も、音楽流通促進の方法を積極的に検討しているそうなので、、権利者の立場を守りながら、ネットで音楽がどんどん聴かれていくようになるための仕組みが、日本にもできることを期待したい。
<第3位>
これからの日本は知財が重要な産業なのは当たり前だけれど、音楽を含む、エンタメコンテンツは大幅な輸入超過な状態だ。J-POPが外貨を稼ぐことに貢献できるように頑張り
たい。
<第4位>
中国だけのサービスが、グローバルNo.1のFacebook並の時価総額が付きそうというところに、中国市場に対する米国資本市場の高い評価が現れている。
これからの日本経済は中国市場抜きでは語れない。音楽ビジネスは、まだ今すぐは動きにくいけれど、ライブ市場としては既に魅力的だし、中期的には中国ビジネスを視野に入れておくことは、音楽業界にとっても必須だ。注視はしておきたい。
<第5位>
通信会社の強さを感じる。コンテンツプラットフォームとして、魅力的だ。
<圏外>
SXSWでも、PONOの登場をアップルが脅威を感じているという話が聞かれた。「前門のSpotify、後門のPONO」で、iTunes Storeは、次のステップに進むことが求められている。iTunes Storeはデファクトスタンダードになったから、次のイノベーションに進めないという勝者のジレンマを抱えていることは間違いない。
どういう戦略で打開を図るのかに注目したい。
<番外編>
ピントがずれた解説に感じた。心配するべきは、メディアが政府に牛耳られることではなく、政治が大手メディアに「人質」を取られていることの気味の悪さではないか?
どこの国にもエグゼクティブな一族は居るものだけれど、ジュニアが血筋で得する国は、社会の活力が落ちていくよね。
ということで、週刊メルマガやってます。まだの方は、登録をよろしく!
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