2013年1月4日金曜日

独断的音楽ビジネス予測2013<続編> 〜ストリーミングとソーシャルメディアが主戦場になった時にアーティストとマネージャーとITベンチャーがやるべきこと〜

前回の「独断的2013予測」を読み直して、概念先行で抽象的すぎたような気がしたので、自分の実業にも引きつけつつ、もっと具体的な事を書きたいと思う。

僕は、この2年間位、ユーザーから支持される音楽サービスの在り方や、あるべき音楽業界の姿について、考え続けている。実は、正直に言うと、僕の頭の中では、ある程度、結論めいたものが、まとまってきている。
大まかな方向といくつかのあり得るシナリオ、そのためのリスクやタスクは、見えてきているんだ。問題は、その認識を踏まえて、自分が具体的に何をやるのか?抜け駆けしたいとか思わないし、そんな状況では無い。むしろ異なったレイヤーで同時進行することが必要だ。自分一人では何もできないので、こういうブログを書くことで、色んな人と繋がっていきたい。日本で音楽ストリーミングサービスが本格化するのは今秋以降だろうから、これから書くことは、2014年の予測と言うべきかもしれない。でも、準備は、今すぐ始めたい。

●ストリーミングサービスが主流になると、ヒット曲でポルシェが買えなくなる?

 前回も書いたように、僕は本気でストリーミングサービスを関連サービス含めて3000億円以上にするべきと思っている。レコード業界は、最優先で取り組むべき事はそれだろうと。
 2011年のパッケージ(CD+DVD)売上が3600億円で、2012年は微増という状況なので、ストリーミングサービスを育てれば、長期的に6000億円以上の売上が確保できる可能性がある。そうすれば、レコード業界の仕組みは、概ね維持できる。もちろん、改革して貰わないと困る部分はあるけれど、良い部分もたくさんある。産業規模として維持できる事は重要だ。

 ただ、事務所やアーティストの立場になると、微妙に違う。音源(原盤)からの売上が6000億円超というのはマクロの話で、内訳は変わってくる。Spotifyの分配などから考えると、原盤と著作権側に入ってくるお金が、ざっくり55~65%位だけど、その売上は、楽曲の再生回数で等分されるのが原則だ。これまでは、一度買ったCDやダウンロードした楽曲は、何度もユーザーに聞かれても売上にはならなかった。ストリーミングでは違う。再生回数に応じて、印税が入ってくる。この際の母数は、これまで発表されている全ての楽曲でだ。総売上が聞かれた回数で分割される。何が言いたいかと言うと、新曲でヒットを出しても、突出した印税額にはなりにくいということ。ストリーミングで聞かれることが一般化すればするほど、そうなっていく。

では何をやるべきか?

●ストリーミングサービスに付随して売れる商品開発をやろう。

新曲を発表してユーザーが気に入られた=ヒット曲とできた時に、その曲を何度も聞いてもらうだけでは、これまでほどの印税額は期待できない。もちろんCDなどのパッケージの売り上げが伸びるというのはあるだろう。もちろんやるべきだ。アーティストの姿を認識させて、パッケージ購入に結びつける努力は重要だ。

でも、それはこれまでもあったこと。僕は新たな収益をつくりたいと思う。ソーシャルゲームにおけるアイテム課金の様なイメージだ。ストリーミングサービスのプラットフォームで好きな楽曲ができたら、何度も聞いていると欲しくなる、デジタルコンテンツの「新商品」を開発したい。できればそのために大きな費用を掛けずに済むコンテンツにしたい。ジャケット用に撮った写真やライブ写真が素材になり得るだろう。UGM的なスキームも活用できるかもしれない。LINEのスタンプも参考になる。動画もありだけれど、通信環境への負荷が少なくて済む容量にしたい。さて、何がいいだろうか?

ヒントになるのは、CDの購入特典だと思う。これまで僕たちは、CD店でのイニシャル(発売日の仕入れ分)の購入促進のために、おまけを付けてきた。タワーレコード用にはこれ、TSUTAYA向けにはこちら、と、店別のユーザー特性に合わせて分けることもある。レコード会社の宣伝担当と事務所のマネージャーが知恵を絞って、購入意欲が高まるものを考えてきた。工夫の方向が似ていると思う。
●ストリーミング周辺の関連アプリ開発が重要になる

ストリーミングサービスが音楽体験のベースになると、そのプラットフォームを使ったアプリが重要になってくる。ストリーミングの代表的サービスSpotifyもアプリ戦略を積極的にやっている。
 詳しくは、この記事をどうぞ。

 最近のソーシャルメディアは、オープンID戦略をとるのは普通になったよね。初めて訪れたサイトにフェイスブックやツイッターIDでログインできることが多い。音楽ニュースをサイトで見たら、Spotifyやレコチョクなどのボタンが付いていて、自分が登録している音楽サービスを選んで、クリックすると紹介している曲がフルサイズで聴けるという状況になるのはもうすぐだ。
 様々な種類のアプリがたくさん出てくるだろう。この状況もビジネスチャンスに結びつけたい。Spotifyもツールと考えて、自分たちのアーティストの人気を高め、コンサートのチケットやアーティストグッズを売るのだ。

 ただ、できれば独自アプリをつくりたい、アーティスト主導だけでなく、ユーザーに支持されるサービスとセットで新しいアプリを提供できれば、収益が期待できる。
 アプリ開発者と音楽プロデューサーのノウハウを融合させて、ヒットアプリを出したい。
 実は音楽やアーティストに関する情報は、断絶されていて、信頼できる情報の紐付きができていない事が多い。ユーザーの嗜好性と音楽やアーティストのまつわる多様な情報を掛け合わせることで、新たな需要を喚起できるチャンスは無数に眠っているのだ。

●ソーシャルメディア上での企業とアーティストのコラボの可能性

 ネット上で音楽を自由に聴くことができるようになり、ソーシャルメディアでのコミュニケーションの比重が上がってくると、企業とユーザーの関係に、アーティストや音楽を絡めるコラボレーションの可能性が高まるはずだ。企業はユーザーと「ロング・エンゲージメント」(=長期的な信頼関係)をつくっていくのがテーマになっている。マスメディアを使って「上から目線」で商品を売るのでは無く、ユーザーから信頼されてブランド価値を上げることが重要だと広告業界でも言われるようになっている。この「ユーザーと長期的な関係をつくり、ブランド価値を上げる」は、まさにアーティストマネージメントがやってきた事だ。商品やブランドとアーティストや楽曲を組み合わせて、ユーザーと美しい三角形をつくっていくと、新たなビジネスチャンスが産まれると僕は信じている。
アメリカでは、既に始まっている。例えば、「ミュージックディラーズ」というサイトでは、12000以上のアーティストと550以上の企業が登録されていて、様々なマッチングが行われている。サイトはこちら。

 企業とアーティストのマッチングについては、「OKmusic」が、やりたいと言ってくれている。いつの間にか日本最大の音楽専門SNSとなっている「OKmusic」は、最近、フリーペーパーmusicUPSも事業譲渡で加わった。親会社は日本最大のQandAソリューションを持つ「OKWave」だ。面白い事ができそう気がしている。

●「MAKERS」発想で、新たなハード、再生プレイヤーをつくる!?

 アプリやウエブサイトだけではない、ハードにもチャンスは眠っていると思う。ライフスタイルと親和性の高い音楽は、ファション性と結びついて、
 一部で注目された缶バッチ型のプレイヤー「PLAYBUTTON」は、高すぎるパテント料のために広まらなかったけれど、商品開発としてのヒントは隠されていた。
 最近の注目書「MAKERS」によると、製造業にもデジタル技術革新の波が及び、「新産業革命」と呼ぶべき「少量多品種」の製造が可能になっているという。音楽の試聴行動を他の様々な要素と結びつける、全く新しいコンセプトの音楽再生プレイヤーに大きな可能性を感じている。一人一人に合わせて、カスタマイズできるプレイヤーなんていいんじゃない?

●ピンチはチャンス!新市場を創造しよう!

 音楽を取り巻く環境が変わって、従来の業界プレイヤーにはしんどい事も多い。業界人の末席の僕も例外では無い。ただ、ピンチはチャンスだ。新たな市場創造とビジネスのチャンスが眠っているのだ。
 音楽とITについて情報発信を続けてきたお陰で、ブログには書けないような情報も集まってきている。業界内の流れも感じる。既存のプレイヤーとの連携も重要だ。
 同じビジョンを共有できる人たちと力を合わせて早く結果を出したい。世代や既存の業界の壁を越えて、視野とノウハウとネットワークを融合することで、意外に簡単にできることもある。ある業界の非常識が、別の業界では常識というのはよくある話だ。
 このブログを読んで、ピンと来た方は、ご連絡下さい。志を同じくする人たちの連携していきたいです。

 僕は、近況を尋ねられると「ホームラン王を取りたくて野球を始めたのに、最近は、野球場の作り方とか、ストライク3つでアウトで良いと思いますか?とか、そんな事に時間を取られています」と、野球の比喩にして、苦笑しながら答えている。
 今年は、野球場増改築やルール改訂にも積極的に関与しながら、ホームラン王もとりたい!
 そんな年頭の抱負でもあるのでした(^^)/

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2013年1月1日火曜日

独断的音楽ビジネス予測2013 〜音楽とITの不幸な歴史が終わり、構造変化が始まる年に〜


   新年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します

 昨年は、トークイベントsensorを開始、二冊目の書籍を刊行、メルマガの監修、NHKFM「元春レイディオ・ショー」でラジオ初出演などなど、個人活動は充実していたけど、ブログの更新は、たった14回、、反省。「ちゃんと書こう」と思いすぎると後手に回るので、フットワーク軽く更新しよう。全く個人的なブログなのでカジュアルな文体で思ったことを直裁に書きますので、ご容赦を。
 さて、元旦につき、今年の音楽ビジネス予測。経済評論家が予測的中すると話題になるくらい、予測は当たらないもの。正月だけに当たるも八卦当たらぬも八卦ということで。ただ、去年の元旦の稿を読み直したところ、いい線いっているんじゃないかなぁ?


●CD売上は、前年比一割以内の減少に留まる
⇒2012年のCD売上は前年比微増。1割以内の減少という僕の予想を超える健闘ぶり。抜本的な改善策では無いけれど、頑張って売ったのは立派と言うべきだよね。

● モバイル配信の変化もゆっくり進む
⇒ゆっくりとは言えないかも。モバイル向けは約4割減、スマフォを含むインターネット配信は約3割増というのが9月までの統計。配信全体では約25%減。この傾向はガラケーからスマフォへの転換が原因なので、まだ進行していくだろう。

● ストリーミングサービスは本格始動しない
⇒Spotifyが始まらないことも含めて、これは的中。

● つまり、音楽ユーザーの消費行動はまだ大きく動かない
⇒レンタルCD業も前年比微増など、この予測も当たっていると思う。
 ということで、全体的な「読み」としては、概ね外れてなかったというのが自己採点なのですが、いかがでしょ?

 ということで、今年の独断的音楽ビジネス予測
 ずばり、変革が始まる年と予測したい!

 世界情勢も今年は構造変化が起こり得る年。米国ではオバマが再選、ロシアではプーチンが大統領に復帰。中国は習近平の10年が始まることになった。韓国も大統領が替わった。安倍政権は来夏の参院選というハードルがあるけれど、暫くは日本の政治も安定しそうだ。
 特に10年に一度の政治の季節を超えた中国との今後は重要だと思う。日本の音楽事務所が中国で稼げるようになるという意味では、もう少し時間が掛かると思うけれど、コンテンツ産業振興というマクロな視点は、日本に求められる役割はあるし、チャンスはあると思う。この事は、色々考えているので、改めて書くつもり。

 さて、音楽ビジネスの2013年は、、。

● パッケージ売上は現状維持。CD店をネットと連動させて活用
 昨年の売上は大物ベテランアーティストのベスト盤の貢献も大きかったから、さすがに今年も売上増というのはさすがに難しいだろう。ただ、CDを買う可能性がある層(世代)に、あの手この手で買わせる努力は今年も続くと思う。特に、日本は、他国では姿を消したCD専門チェーン店があるのが大きい。タワーレコード、ローソンHMV、TSUTAYAは、親会社に大きな資本があるし、新星堂も北関東の雄ワンダーコーポレーションが買収した。それぞれの企業戦略の中で、ショップを活用していくことだろう。
ITマーケティングの世界ではO2O(オンライントゥオフライン)という言葉が流行ったけれど、まさにCD店こそO2Oの拠点として適していると僕は思う。古い規格のCD(コンパクトディスク)に固執せずに、高音質パッケージやパーソナルクラウドとの連動(買った瞬間からスマフォで聞ける)にも取り組んで欲しい。最近は、アナログ盤の人気復活の気配もある。
 また、レコード会社主導のプレイヤー販売も課題だ。今、CDプレイヤーが壊れたときに、買い換えてくれるユーザーはどれだけいるだろうか?PCでも例えば、MacBook AirはCDドライブは内蔵してない。タブレットはもちろん。CDを売るにはCDプレイヤーから売る時代になっていることを自覚すべきだと思う。アニバーサリー企画でのアーティストモデルなど、ソフトを売るためのハードの販売を考える時代になっているのだ。

●ストリーミングサービスが本格開始する
 欧米で500万人以上の有料会員を抱えるSpotifyが、遂に日本サービスを始まるようだ。詳しくはここには書けないけれど、レーベルとの交渉も始まっている。サービス開始は秋になるようだけれど、新しい音楽の聴き方、楽しみ方が広まっていくことは間違いない。
着うたの覇者だったレコチョクも、まもなくストリーミングサービスを始めるようだし、異業種からの参入の噂もある。聞き放題で月額課金というビジネスモデルと、友人達と音楽を共有するという習慣が広まっていくはずだ。
 個人的には、2015年に売上3000億円の目標で取り組んで欲しいと思っている。パッケージとストリーミングはカニバルどころか、相乗効果がある。パッケージ店網が残っている間にストリーミングサービスが広まれば、日本の音楽市場が、世界に類を見ない好バランスになる期待が持てる。

●レコード会社がインターネット上に音源を解放し始める
 ストリーミングサービスが広まるには、多くの音源の許諾窓口となっているレコード会社の姿勢がポイントになる。これが変わってきた。理由は二つ。欧米でストリーミングサービスが広まるとダウンロードやパッケージの売り上げにもプラスになる統計データがでてきたこと。ユニバーサルやワーナーは親会社が欧米だから情報も早い。レコード業界全体に伝わっている。
 もう一つは、ネット界隈では不評の違法ダウンロード刑罰化の影響。あの法案が通ったことで、レコード会社の経営陣は、合法にネット上で音楽が聴ける環境を提供するという社会的な責任を負った。DRMを外したり、ソニーミュージックエンタテインメントがiTunesに楽曲を提供したりというのもその流れの一環だ。

 レコード業界は、直接契約を結んだ「特約店」でレコード〜CDを売ってきたという歴史がある。配信でもガラケー向けでは「レコチョク」は成功した。そのせいで「自分の目の届くところでだけ売りたい」と思う性癖を持っていたけれど、そろそろ方針転換をしようとしてくれているようだ。膨大なカタログをマネタイズするためにも、一定のルールに則って、許諾を幅広く出していく方向を推し進めてくれることと期待している。

● コンテンツの海外輸出が本格的にはじまる
 これは、予測では無くて、希望的観測と努力目標。
 経産省が計画している「クールジャパン」ファンド800億円の使い途に注目。これまで経産省は失敗し続けているので、安倍政権の指導力に期待したい。ただ実は、方法論は難しくない。韓国がやってきたことの真似をすれば良いだけだ。
 海外のメディア枠を買い、日本と海外のギャップで生じる日本の権利者の不利益分(の一部)をまかなって、日本のコンテンツをアジアなどの新興国で流せば、間違いなく結果はついてくる。今なら、まだ日本のポップカルチャーのブランドとコンテンツ力は有効だ。
 中期的には、海外売上が国内と同等になることを目指すべきだと思う。韓国は、自国の数倍の売上を海外からあげているのだし。

 機は熟している、言い換えれば、待った無しで今年を逃すと、衰退する。音楽業界にとってそんな分岐点の年。2013年は、本当に重要な年だなと思う。楽曲がデジタルファイルに変換できるようになってから続いてきた音楽とIT技術の軋轢の歴史が終わる年。
 個人的にも、テーマに掲げてきた、ソーシャルメディア活用、グローバル、異業種コラボレーションの3つを踏まえて、具体の結果を出す年にせねばなりますまいと、誓う正月であります。
新年早々、告知3件!

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2012年12月31日月曜日

今年観た映画『映画と恋とウッディアレン』『屋根裏部屋のマリアたち』『夢売るふたり』などなど

ブログを書き始めてからは、観た映画の記録は必ず残そうと決めたんだけれど、半年以上、書かないままだった。
未来の自分へのメモ(ライフログ)でもあるので、年末にまとめて記しておくことにする。
時系列思い出せないし、ランキングにするのは面倒すぎるので、順不同で。本数が多くなってしまったので手短に。

ちなみに、映画名をクリックすると公式サイトに飛びます!

『映画と恋とウッディアレン』
ウッディ・アレンは好きだ。今、「一番羨ましい人は?」って聞かれたら、迷わずこの人だと答えると思う。毎年、世界の色々な街で、好きな様に映画が撮れる。美女達に囲まれ、離婚した女優からも愛されている。そんな彼のドキュメンタリー伝記映画。
ニューヨークでスタンダップコメディをやっていた頃の逸話など、知らない話も沢山あった。ファンはマスト!

『恋のロンドン狂騒曲』
そんな、ウッディ・アレン監督の映画、バルセロナ、パリに続いて、今回はロンドン。相変わらずエスプリ感溢れて、良い感じ。恋愛も宗教も人生の悩みもいろんなものを、ちょっと小バカに茶化しながらも嫌みにならないのは、登場人物に対する愛情があるからなんだろうな。ともかく、長生きして、たくさん映画を作って欲しい。ウッディアレンが描く都市と人の姿が大好きだから。

『アーティスト』
アカデミー賞作品賞等受賞。サイレント映画が滅んで、トーキー映画に移り変わる時期の、サイレント映画のスター俳優が主人公。設定は珍しくないけれど、映画のほとんどがサイレントになっているというアプローチが秀逸。映画好きが喜ぶ映画だと思う。

『肉体と悪魔』
『アーティスト』の影響かどうかわからないけれど、最近、サイレント映画に人気が高まっているそうだ。弁士では無く、生ピアノの即興演奏付きという上映会が頻繁に行われるようになっている。豊洲で行われた上映会でのピアニスト、柳下美恵さんは、旧い友人。ソーシャルメディア上で久々に再会したら、サイレント映画のピアニストになっていた。活躍が嬉しい。この日の演奏もグレタ・カルポの美貌に似合う好演だった。
 ●柳下美恵さんツイッター:@miesilentpiano


『アリス』
変わった上映方法と言えば、目黒クラスカの「ルーフトップシネマ」にも行った。広い屋上に座って、お酒を飲みながら、大きなプロジェクターの上映を観る。一部の人には、夏の風物詩になっているらしい。気持よかった。
チェコ巨匠、ヤン・シュヴァンクマイエル監督の作品も東欧らしくて良かった。鬼才の脳みその中を覗いた感じ。『アメリ』をもっと変態ぽくした印象。

『へルタースケルター』 
ロードショー映画も観たよ、って事で。まずは、蜷川実花監督、沢尻エリカ主演の本作。
原作の漫画が人気だから難しいかなぁと思ったけれど、予想以上に良かった。監督と主演のキャスティングが適切だったね。
興行的には、女の子も観られるって大事だよね、デートムービーとして成立していたと思う。


『アウトレイジ・ビヨンド』
北野武監督は、尊敬する日本人クリエイターの一人だけれど、怖い映画が好きじゃ無い僕は、時々見逃してしまう。前作『アウトレイジ』は観てないので、DVDで観なきゃ。続編だけれど、前作を観て無くても十分楽しめた。
やくざ映画は日本映画の伝統だね。俳優陣が好演。任侠の世界に惹かれるのは社会の縮図になっているからなんだなと改めて思った。オススメです。

『夢売るふたり』
もう一つ、オススメ邦画。西川美和監督は素晴らしい才能だね。前作『ディアドクター』も良かったけれど、本作も心理描写と映画ならではの世界観の組み方が秀逸。
ゆったりとした展開をしながら、そのまま終わらずに、最後にサプライズを用意するという構成も好き。しっかりとしたエンターテイメント感を持っている人なんだと思う。音楽もセンス良いけど。もう少しシナリオと絡んだトリッキーな要素があるといいのになと高望みな希望。いつか仕事でご一緒したい監督です。

『メリダとおそろしの森』
最近はアニメはこれしか観てないな。クオリティが高い。シナリオもよく練られていて、グローバルマーケットへの意識が高い。ディズニー4000年の歴史がノウハウとして蓄積されているなぁと今更ながら感心。
3Dは目が痛くなるから個人的には好きじゃ無いんだけれど、だんだん3Dの必然性がある表現が増えている気がする。色んな意味でもっと洗練されて、定着していくんだろうな。

『台風クラブ』
名画座って言葉はあまり聞かなくなった気がするけれど、早稲田松竹の特集は、素晴らしいと思う。さすがに二本立てを続けて観る時間を確保するのは難しくなっているけれど、相米慎二監督特集とあっては、行かねばなるまい。
本作は、1985年ATG製作って懐かしいなぁ。工藤夕貴が可愛かった。

『お引越し』
相米作品のもう一作は、初めて見た。1993年作品だって。中井貴一と桜田淳子の壊れかけた夫婦の演技が絶妙。
惜しい人をあまりにも若く亡くしたね。改めて合掌。

『屋根裏部屋のマリアたち』
ロードショーを見逃したときも早稲田松竹のお世話になる。実は、今年一番良かったのは、これかもしれないと思うくらい良かった。
フランス映画。フィリップ・ル・ゲイ監督作品は初めてだったけれど、過去作品も観てみたい。フランスらしい上品さがありつつ、軽妙なエンタメ感が心地よい。
主演のファブリス・ルキーニは、キャリア十分だけど、今作は特に存在感が良かった。ちょっと橋爪功に似ている。
そして、主演女優のナタリア・ベルベケが美しい。美し過ぎる。”ワケアリな事情を抱えて気丈に生きるメイド”というのが、日本人好みの設定なのかも知れないけど、あの透明感があってこそ、活きたシナリオだとも思う。ブログを書いているうちに、もう一度、観たくなった。

『僕たちのムッシュ・ラザール』
カナダのフランス語圏の映画。これも佳作。
モントリオールの小学校での教師と生徒の交流が描かれている。担当教師が自殺して傷ついた生徒達を教える代用教員は、アルジェリアからの移民。政治的な迫害を受けて、家族を亡くしてカナダに移り住んだという設定。重みがあるけれど、説教くさくないのが良い。

2012年12月2日日曜日

二冊目の著作を出版しました。 〜音楽関連ビジネス書ブックレビュー2〜


 ずぼらでおっちょこちょいな性格は小学生の頃からだけれど、二冊目の著作を出させてもらったのに、一ヶ月以上経って、自分のブログに書いてないことのは、酷すぎるね。(> <)って顔文字で誤魔化したい気分。遅ればせながらブログ更新です。
 もう、だいぶ間が抜けた告知になるけど、10月25日に『ソーシャル時代に音楽を"売る"7つの戦略〜“音楽人”が切り拓く新世紀音楽ビジネス』という書籍を出しました。「ソーシャル7」と呼んでね(^_-)-☆

 立場の違う4人による共著。共通点は音楽が好きで、音楽と関わる仕事をしていること。とはいえ、いわゆる音楽業界の内側にいるのは僕だけで、他の3人はそれぞれ、プロモーション、キャスティング、ソーシャルメディアマーケティングという専門的な能力を持って音楽業界に関わっている。僕は、EAの松本拓也さんに誘われて、共著者になった。4人で何度かミーティングをして、現状認識、将来展望など日本の音楽ビジネスに関する意見交換をした。このミーティングが、執筆よりも楽しくて、いつまでもミーティングを続けたいと思った。

 そうもいかないので、パートごとに役割分担をして、執筆作業にとりかかった。初めて体験したのが、口述筆記的なやりかた。テーマに合わせて話した内容を編集者が文章にしてくれる。それに対して訂正するというやり方なんだけれど、これが良かった。僕が音楽ビジネスについて書こうとすると、どうしても熱くなりすぎる。編集者に理解してもらって、咀嚼されるから、僕自身が書くよりも客観的でわかりやすい文章になる。気になるニュアンスは、そこから手を加えて修正すれば良い。しかも時間的な負担がなくて、本業への影響が小さい。

 作家を気取るつもりは毛頭無いけれど、一から自分で描こうとすると、まとまった集中する時間が必要だ。打合せの合間に1時間空いたからって、ちょっと書くみたいなことは難しい。ビジネスの打合せと執筆は、自分のテンションが違うから、脳みそのチューンナップは結構、大変。このやり方だと、そういう調整が無くても大丈夫。もしかしたら僕は味をしめてしまったかもしれない。

 もちろん、そんなやり方ができたのは、有能な編集者だったからだ。発刊記念イベントの時に、共著者の殿木さんが、「僕ら4人がバンドで、編集者がマネージャーみたいな関係。マネージャーが居ないと成り立たなかった」って言ってたけど、その通り!「ソーシャル7」の貢献度のMVPは、リットーミュージック山口一光さんだ。この場を借りて、お礼申し上げます。本当にお世話になりました。m(__)m

「音楽人」という言葉には、従来の「業界人」ではダメだよね?音楽に携わる人みんなで、前向きに変わっていこうよ!という僕らのメッセージが込められている。
 だから、いつまでも続けていたかったミーティングは、読者も巻き込んでフェイスブックページに引き継いだ。興味のある方は、こちらからご参加下さい。
 意見交換をしたい方は、ここで参加表明してもらえれば、グループに招待します。

 そして、続編に向けて?かどうかわからないけれど、メールマガジンも始めた。既に2号出して、まもなく第3号、共著者4人以外にも素晴らしい寄稿者が協力してくれている。

 世界中で放送されたいる日本の音楽番組NHK国際放送「J-MELO」プロデューサーとして海外の日本ファンと最も接している原田悦志さんが、「J-MELO世界発信紀」と題して連載してくれる。

 海外の音楽サービスの紹介ブログが素晴らしい、ジェイ・コウガミさんは、「海外デジタル音楽の今」で、最新情報を伝えてくれる。

 知財系弁護士として日本一だと僕は思う、Field R 山崎卓也さんが「クラウド時代の超ラディカル著作権論」を書いてくれる。これだけでもメルマガを始めることにして良かったと思うような刺激的な連載だ。

 そして、ハッピードラゴンの相方であるふくりゅう君には、本来の職域である「ミュージック・コンシェルジュ」としてお薦めの音楽を月1回紹介してもらう。

 そんな「音楽人養成メルマガ」、購読をお願いします。はじめて三ヶ月で読者が1000人を超えなければ、休刊するという方針を課したので、良いと思ったら、友人知人にも薦めてね。

 音楽ビジネスといえば、素晴らしい本が出版されたので、紹介したい。以前書いた、「音楽関係ビジネス書ブックレビュー」の続編。

 名著。著者はインターネットで全国のラジオ局の番組がきけるプラットフォームサービスradikoの生みの親。昨年、電通をお辞めになって、関西大学の教授になられたけれど、音楽業界、メディア業界には欠かせない人だ。
 日本の音楽業界、メディア業界の表も裏もよくご存じの方で、僕も色んな事を教わっているけれど、ビジネス論だけで無く、文化論的な分析も素晴らしい。日本と韓国の音楽業界、政府の施策などを比較すると同時に、SMエンタテインメントのイ・スマンを、60年代に米国で一世風靡した「モータウン」レーベルの創始者ベリー・ゴーディや、戦後に日本の芸能界を創った渡邉晋と並べて、分析している。
 これだけ幅広く、総合的かつ俯瞰した視点で、日本の音楽ビジネスについて語った本は、他には無い。音楽に携わる人は必読。余計なことだけど、タイトルだけ惜しいと思う。書名がキャッチーならベストセラーになったかもしれないのに。
 ということで、必ず読んでください!

 「ソーシャル7」の共著者で、気鋭のソーシャルメディアマーケッター髙野修平さんによる音楽愛溢れる好著。「ソーシャル7」の第1章「ソーシャルメディアが音楽をドライブさせる」を読んで、興味を持ったら、この本を読んで掘り下げると良いと思う。
 音楽が伝播する段階として「共有」「共感」「共鳴」の三つあると説明したり、「トライブ(部族)」という概念を用いたり、参考になる考え方が説明されている。
 ソーシャルメディア上での広まり方を「ソーシャルグラフ」「ミュージックグラフ」「インタレストグラフ」「リレーショングラフ」と4つの関係性(=クアトログラフ)と解き明かしているのも興味深い。
 音楽ビジネスに携わる人は必読だよ。


 もう一人の共著者、松本拓也さんも2008年前に本を出している。
 ドラマ仕立てのミュージックビデオに人気モデルなどを登用して、ブログと連動して配信ヒットを出すという方程式をつくった仕掛け人で第一人者。関わったビデオクリップのYouTubeでの平均再生回数が100万回という驚異的な実績を誇っている。そんな著者だけにブログ活用のポイントがよくまとめられている。
 インターネットネットの環境そのものは4年で変わっている部分もあるけれど、ブログ活用の方法を考えるにはとても参考になる。
 
 他にも音楽関連のオススメ書籍はある。以前、ブログにまとめたので、興味のある方はこちらをどうぞ。

 最後に、もう一つ報告。10月にドリルスピンに寄稿した原稿が、ネット上で拡がって驚いた。3日間で48000PV、平均滞在時間6分20秒という、大きな反響があって、結果的に3部作として書くことになった。まだ読んでない方は、こちらからどうぞ。

■コラムスピン 第40回、42回、43回『iTunes Storeは日本では失敗してるんだよ』

2012年11月25日日曜日

NHK FM「元春レイディオ・ショー」に出演します。


 それは、記憶に無いくらい色んな種類の汗をかく体験だった。高校時代からのファンで、敬愛する佐野元春さんからラジオ出演の依頼をいただき、1時間番組で対談した。秘書の方からオフィスにお電話をいただいたときは、僕のアシスタントも混乱したらしい。「山口は外出しております。ご依頼の内容はわかりましたが、どのアーティストへのゲストのご依頼ですか?」と答えてしまったと苦笑しながら報告があった。そりゃそうだろう。執筆やセミナーへの出演などの「副業」の稼働も、最近は増えてきているけど、ラジオ出演は初めてだ。ましてNHKFMの名門アーティスト番組。お受けする旨をお伝えして暫くしてから「あっ!俺、ラジオ初めてだ」と思って、不思議な気分になった。

 音楽プロデューサーとしてアーティストマネージメントとしてラジオ局には散々お世話になっている。2004年には『月凪』という曲で全国FM局パワープレイの新記録をつくらせてもらった。親しくさせていただいているプロデューサー、ディレクターも多い。ラジオ収録に立ち会った回数なんて数え切れない。でも俺、初めてだったと、また別の汗をかいた。「大丈夫かな?」
 ユーザーとして楽曲は聴いているし、業界の先輩方がスタッフとして関わってられたから、お人柄についても伝え聞いている。でも、面識は全く無かったので、収録前にお会いしておきたくて、事前に時間をいただいた。
 佐野元春さんは、インターネットに関して、最も先駆的な試み、関わり方をされてきたアーティストだ。音楽活動も積極的で、最近だと、雪村いづみさんとのデュエットも素晴らしかった。NHKテレビ『ザ・ソングライターズ』でもインテリジェンスが光っていた。そんな事を思いながら、打合せに向かった。

 都内の閑静なエリアにある広いオフィス。大きなソファとテーブルがゆったりとしたスペースの真ん中にある。1時間の予定だったけれど、打合せを終えて失礼したときには2時間経ってた。「音楽配信の未来」について話したいとのことだったので、周辺状況も含めて、僕の知っていること、考え方などを率直に話し、佐野さんのスタンスを伺った。広範な知識としっかりとしたアーティストらしいお考えをお持ちだった。ビジネスマンである僕とは立場は違うけれど、ベクトルは一緒だった。「僕の番組は音楽が好きなリスナーが聴いている。山口さんや僕は色んな情報も持っているけれど、この日は現状への不満3割、未来の希望7割のバランスで話したいけど、どう?」と言われ、「大賛成です。」と答えた。

 内容については、オンエアーを聞いて欲しいけれど、良かったのは、2時間弱の打合せの間、世間話が一つもなかったこと。音楽業界でのキャリアの長い人同士の初対面は、しばしば「あの人を知っている?」という話の応酬になる。お互いの人脈をすり合わせることで、安心しようとするし、どんなキャリアの人かを探り合うようなやりとりに時間を割くことになる場合が多い。ところが、この日は全く無かった。僕の書籍もブログも読んでいると最初に伺ったので、自己紹介は省いて、自分の考えと、国内外の音楽ビジネス・サービスに関して知っていることを話した。「一流の人は”業界”ずれしない」という事は知っていたつもりだけど、真摯に語る佐野さんの姿は本当に素敵だった。

 収録当日は、ガチンコだった。向かい合って座り、質問を投げかけられる。構成台本を見ながら話せるかと思っていたので、メモ一つ無い状態で、緊張感はマキシマムまで高まった。後から考えると、ジューシーな会話にするという意図だったのかもしれない。ミュージシャンのセッションみたいな感覚だなと、妙に納得がいった。その状況にきちんと対応できたかどうか、自信は無いけれど、佐野さんの包容力のお陰で、上手じゃ無いけど、嘘の無い話ができた気がしている。

 NHKの収録スタジオは、佐野さんが入られると、ぴーんと張り詰めて良い感じだった。スタッフが緊張感を持って仕事をしている現場は好きだ。ゲストの僕はリラックスした振りをするのが役割と思い、立ち会いにいらしていた伝説のディレクター湊さんと『サウンドストリート』の昔話などしながら、セッティングを待っていた。

 打合せの時にご本人にもお伝えしたけれど、カラオケボックスが一般的になる前、カラオケが苦手な僕が飲み屋に連れて行かれて、どうしても歌わなければならないときはいつも『Someday』を歌っていた。25年位前のレーザーかテ8トラのカラオケで、僕が歌いたいと思える曲は、他に無かったんだ。
 もう一つ。ご本人にお伝えしそびれたエピソードがあった事を、佐野さんのベスト盤を聴きながら思い出した。高校時代にやっていたバンドで、たぶんNHKの番組の主催のコンテストに出場した。その時のゲスト審査員が佐野さんだった。僕はキーボーディストだったけど、作詞には関わっていて、歌詞を褒められて喜んだ記憶がある。もう30年位前の事だ。

 そんな方からのご指名でラジオで対談するなんて、光栄なことだなぁ。そして、僕の憧れは裏切られること無く、素晴らしい体験をすることができた。柄にも無く、神様に感謝したい気分。記念撮影をねだってしまったのは、友人なら驚くだろう、僕には珍しいこと。「ブログにアップしちゃダメ!」と言われたので、このまま家宝にします^^ 

 放送は12月4日(火)23時〜24時。NHKFMです。お時間ある方は、聞いてみてください。すごく緊張して、へたくそな説明の僕が、でも嬉しそうに話してるはず。
●「元春レイディオ・ショー」オフィシャルサイト


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 音楽ビジネスの新スキームへの挑戦の一環でもある「j-Pad Girls」は、クラウドファンディングを使って、2nd Seasonのサポーターを募集中です。興味を持った方は是非参加してください!温かいご支援をお待ちしてます<(_ _)>
●「j-Pad Girls」東京から世界に発信するメディアアート・プロジェクト

2012年11月18日日曜日

 j-Pad Girls「ボードメンバー制度」始めます 〜クラウドファンディング実践中〜


 新プロジェクト「j-Pad Girls」は、2ndSeasonが始まり、お陰様で好評。権威ある「週刊文春web」で紹介されたのはありがたかったけど、自分まで撮影されたのは恥ずかしかった。ただ、一流のカメラマンは、被写体をいじるのも上手だし、シャッターチャンスを逃さない。萩庭さんのお陰で、「破顔一笑」という感じの写真が掲載されている。これなら好感度あがるかなぁ?(笑)
 
 
 総合プロデューサーを名乗る僕としては、「ソーシャルメディア最適化コンテンツ」とは何かという事をいつも考えている。全てが可視化されるソーシャルメディア上で注目され、共有され、話題にされ、拡散されるにはどうすればよいのか、そして、ユーザーとコミュニケーションをとりながらコンテンツをプロデュースするってどういうことなんだろう?そんな事ばかり考えている。
 『ソーシャル7』の共著者でソーシャルメディアに関する僕の師匠である、髙野修平君の言葉を借りれば「共有」「共感」「共鳴」の3つを、どうすれば起こせるのか?

 そんな問題意識の中での、一つのトライが「ボードメンバー制度」だ。そもそも「j-Pad Girls」はプロジェクトの開始の発表をクラウドファンディングのサイトで行った。「僕たち、こんなことやるので、お金出してください」と、公の場で言うのは、勇気のいることだった。従来の業界の人からは「蛮勇を奮った」と見えるかもしれない。
 エンターテインメントビジネスの方法論の一つとして、クラウドファンディングは可能性を感じている。プロジェクトを始める前に、ユーザーの審判を受けるという側面もあって、ドキドキ感が満載だ。先日も、AIU RATNAというアーティストのインドネシアからの来日資金をCampfireというサイトで集めだけど、目標金額に達したのは締切当日で、冷や汗をかいた。(ご支援いただいた皆様、本当にありがとうございました)



 今回の「ボードメンバー制度」は、クラウドファンディングにふさわしい「リターン」として考えた。「このプロジェクトは面白いから応援しよう!」と思ってくれたユーザーには、継続して見守ってもらいたいし、意見も聞きたい。
 Board memberは日本語に訳せば「取締役」。株式会社では、株主から経営の方向性を決める役割。「j-Pad Girls」は、僕と浅田祐介が代表執行役みたいな立場だけれど、重要なことの意見を聞く場をユーザーと持ちたいと思ったんだ。

 プロデュースをしている過程で、ユーザー目線だと、どう感じるのか知りたいと思ったことはこれまでもある。例えば、ジャケット写真やアーティスト写真のチョイス。プロデュース方針に合うかどうか、クオリティ的にOKかどうかは、プロとして即座に判断できるけど、ディテールでは「どっちもありだなぁ。どっちがいいかなぁ?」と悩むことも意外に多い。せっかく、クラウドファンドで支援者を募るのなら、そういう選択に参加して貰うのもいいのではないかと。幸い今は、フェイスブックの非公開グループなどを使えば、簡単にコミュニケーションや投票などもできる。「ソーシャルメディア最適化」プロデュースとしてのトライアル。
 プロモーションキット付で2000円。YouTubeなどの動画には名前もクレジットできる。スタッフと対話できる立場を手に入る。僕らプロデューサー陣はドキドキだけど、みなさんにはワクワク感を少しでも与えられたら嬉しいな。

 2月14日は初のリアルイベントもやります。VJイベントみたいなつもりだったんだけど、やる気満々のアーティストが1st Season、2nd Senasonから計6人。卒業間近のMayと北京在住の羅さん以外は、歌いに来てくれることになった。相沢まき、船田真妃、山下瑞稀、伊藤寿賀子、酒井蘭、小幡尚美(敬称略)。週刊文春webの写真を見て欲しい。さすがに、美女・美少女好きを自称するキャスティングプロデューサー松本拓也入魂のキャスティング。これだけ多種多様な、でも本物の「美女」が揃うことって、なかなか無いんじゃないかなぁ?眼福って言葉があるけど、まさに観てるだけで、なんか幸せな気分になるよ。しかも、みんな表現力が豊か。歌にサムシングがある。ステージ上も最新のテクノロジーをアナログ感で採り入れる「j-Pad Girls」らしいイベントにしたいと、知恵を絞って、相談しているところ。ライブの入場券付はプラス3000円。70人も入れば満員になる渋谷の小さなクラブスペースでやるつもり。彼女たちと飲める訳じゃ無くて、僕らスタッフとだけど、打上げへの参加権付のリターンもあるよ。
 今回のイベントがうまくいったら、もう少し大規模にしていきたいと思っている。その辺のやり方も「ボードメンバー」に相談したい。

 実は、3rd Seasonのキャスティングも進行していて、そろそろ次の4人も決まりそう。「ボードメンバー」は「秘密保持」の規約に同意して貰うので、解禁前の情報もリークしちゃいます。その次のキャスティング候補のアイデアも募ります。
 そんな「ボードメンバー制度」、参加してみませんか?



追伸:僕が監修して、音楽ビジネスの未来について考えるメールマガジンを11/20(火)に創刊することになりました。週刊。今なら無料だから、こちらもチェックして登録してね!