ドリルスピンから依頼をいただいて「音楽ストリーミングサービス」についてコラムを書いた。紙幅の都合と、全体の流れで割愛してしまったけれど、LINE MUSICについては、ラブコールと独断予測を追加しておきたくなった。
LINEが予告している音楽サービスLINE MUSICには、大いに期待している。友人は何人か関わっているようだけれど、僕自身は何の情報も持っていないし、サービスの内容は一切発表されていないので、以下は勝手な予測と期待だ。
言うまでも無く、LINEは近年で最も伸びたコミュニケーションプラットフォームだ。特に10代をはじめとした若年層には圧倒的な支持を得た。始まった時は、「ポストペット+Skype」だなと思って見ていたけれど、(スタンプはモモちゃん!)経営陣のビジョンが功を奏したようだ。海外含めて、爆発的にユーザー数を増やしている。
普通に考えれば、LINE MUSICは、一言で言えば「音楽版スタンプ」を目指しているはずだ。つまり、ユーザーのコミュニケーションを誘発するツールとして楽曲を使うということ。これはどんなものになるのだろう?浅学の僕には具体像は想像できないけれど、これまで体験したことの無い種類の音楽サービスになるはずだ。
音楽をつくっている立場からは、「音楽をそんな使い方するのかよ!」って、突っ込みたくようなサービス設計かもしれない。寂しい思いをさせられるかなとも思う。
一方で、若年層から支持されれば、今のLINEなら爆発的な普及の可能性がある。CDを再生する機器を持ってないような層に音楽を聴かせるという役割を果たしてくれるだろう。結果、音楽業界全体にも利益をもたらしてくれることだろう。
歴史を振り返れば、カラオケも着メロも、音楽業界の外で産まれ、広まったサービスだ。ユーザーから支持されて、新たなカテゴリーがつくられた。着メロの発展系である着うたが、レコード業界に大きな収益をもたらしたのは、記憶に新しい。LINE MUSICにもそういう役割を期待したい。僕は「音楽へのリスペクトが感じられない」と寂しい気持ちを抱えたとしても、自分の作品のプロモーションと収益化への可能性を模索するつもりだ。
もし、LINE MUSICが”普通の”音楽ストリーミングサービスだったら、失敗すると予測しておく。
僕も含めて、音楽業界の人間は、音楽は素晴らしく、音楽自体にこそに価値があると信じている。一曲との出会いが人生を変えることもあるのも知っている。アーティストとスタッフが精魂込めてつくった作品は、きちんとしたコンディションで受け止めて欲しいと願っている。それが、時に、独善的に、「こう聴くべきだ」という発想に繋がってしまうことがある。
本来、音楽の楽しみ方は、時代や世代やその人の嗜好によって、それぞれ自由であるべきなのに、デジタルの進化に、日本の音楽業界は乗り遅れ気味だ。レコード会社が音楽配信用ファイルの置き場所を「自社サーバーに限る」というルールにして、頑なに守っているのは、象徴的だ。大切な作品のマスターは、目の届くところで、きちんと管理したいという気持ちは痛いほどわかるし、ありがたいけれど、経済的合理性や災害対策などを考えても、滑稽なことになってしまっている。
そんな音楽業界の感覚を尊重してサービスを設計しても、見たことが無いような新しいものは出てこない。LINEは「若い子にバズらせる」ことだけを目指してサービスを考えて、音楽業界の人に嫌がられて欲しい。
音楽業界に気を遣って、普通のストリーミングサービスにしてしまうと、ユーザーが反応せず、LINE MUSICは来年の今頃には、サービスが終わっているかもしれない。
本来、音楽の楽しみ方は、時代や世代やその人の嗜好によって、それぞれ自由であるべきなのに、デジタルの進化に、日本の音楽業界は乗り遅れ気味だ。レコード会社が音楽配信用ファイルの置き場所を「自社サーバーに限る」というルールにして、頑なに守っているのは、象徴的だ。大切な作品のマスターは、目の届くところで、きちんと管理したいという気持ちは痛いほどわかるし、ありがたいけれど、経済的合理性や災害対策などを考えても、滑稽なことになってしまっている。
そんな音楽業界の感覚を尊重してサービスを設計しても、見たことが無いような新しいものは出てこない。LINEは「若い子にバズらせる」ことだけを目指してサービスを考えて、音楽業界の人に嫌がられて欲しい。
音楽業界に気を遣って、普通のストリーミングサービスにしてしまうと、ユーザーが反応せず、LINE MUSICは来年の今頃には、サービスが終わっているかもしれない。
そうでなくてもITサービスをやる人達の判断は早い。業種ごとに価値観も目的も違うから、彼らのやり方を批判するつもりは無いけれど、アーティストマネージメントなんて、成果が出るのに3年〜5年掛かる商売を長年やってきた者から見ると、見切りの早さには怖さを感じる。まあ「一度信じた才能を粘って売る」というマネージャー的な感覚は、ネットの世界では通用しないのだろうけれど。
最近でも、DeNAが鳴り物入りではじめたGroovyは、「着うたユーザーにとっての後継サービス」として、よく考えられたサービス設計だと思ったけれど、本気で勝負を掛けないうちに諦めた、という印象で、残念に思っている。
(そういう意味ではKDDIが行うKKBOXは、簡単にはやめることはないだろうから応援したいと思う。)
つまり、この予測は、どちらに転んでも喜べる予測なので、今のうちに書いておきたかった^^
このアンビバレント(両義性)な気持、伝わるかな?
LINEが音楽をどう捉えるか、注目してサービス開始を待ちたい。
LINEが音楽をどう捉えるか、注目してサービス開始を待ちたい。
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