2011年4月25日月曜日

「グローバル化するJポップ」シンポジウムに参加して

 421日にダイヤモンド社から『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』を上梓しました。インターネット上の人間関係図「ソーシャルグラフ」を中心に置いて、ソーシャルメディアとの付き合い方を、わかりやすくまとめた本になっています。マーケティングやITの専門家ではない私達が書かせてもらったので、できるだけ視線を低くして具体的に書いたつもりです。是非、読んでみてください。感想を伺いたいです。予告映像がこちらにあります

さて、先週の土曜日23日は、 東京芸大がNHKJ-meloと協力して行ったシンポジウムにパネラーとして参加しました。 北千住駅から数分のところに綺麗なキャンパスがありました。以前は小学校の敷地だったそうです。
 「J-melo」は昨年からNHK総合でも放映されるようになったので、ご存知の方も多いかと思いますが、元々はNHK国際放送で海外向けに、英語でつくられている番組です。出演者も基本は英語で話します。今回のシンポジウム『グローバル化するJポップ』は、東京芸術大学音楽環境創造科の毛利研究室がJ-meloと協力して行った、外国人にとってのJ-popに関するアンケート結果の発表と、それにまつわるシンポジウムでした。出演は、それこそグローバルに活躍なさっているm-floDJ TAKUさんと、J-meloプロデューサーの原田悦志さん、ポピュラー音楽を研究されている早稻田大学教授の岩渕功一さんと、私の四人で、司会は毛利嘉孝先生です。

まず、調査報告とその分析を、毛利さんと3人に学生がやられたのですが、とても面白かったです。大学生(と大学院生)による調査結果発表なので、正直、期待は全然したなかったのですが、良い意味で裏切られました。みなさん、熱いJ-popファンのアンケートを真剣に読み取って、分析を加えていました。
animation」ではなく、はっきり「anime」と書かれていて、日本アニメが一つのジャンルになっていること。若い世代から人気が高いこと。『NARUTO』のタイアップは影響力が大きいこと、などは想定の範疇でしたが、海外におけるビジュアル系のファンは、生花、盆栽なとの日本的伝統にも興味があるという分析にはびっくりしました。70歳のアメリカ人が、「いきものがかり」のファンだったり、その多様性にも驚かされました。継続的に毎年行って欲しい調査です。調査結果はこちらをご覧下さい。

第二部はパネルディスカッションでした。
こちらも有益な話が多かったのですが、m-floTAKUさんの「 J-pop10年間進化してない」という厳しい発言には、自分の反省も含めて考えさせられました。市況が苦しいと、内向きになるし、前例踏襲型になりがちですが、海外マーケットを視野に入れることは、音楽の作品そのものの活性化にもつながるかもしれませんね。と前向きに考えたいです。
岩渕先生や毛利先生から「Jの解釈を決めつけないで、多様化すべき」とのご発言があり、刺激を受けました。プロデューサーとしては「J」をできるだけ拡大解釈して、ビジネスチャンスを広げていきたいです。欧米に対しては「東方神起もJポップの成功例」だと言い放つたくましさを持ちたいと思います。実際、東方神起を売ったのは、日本のプロデューサー陣ですし。

海外での活動に関して、相撲型とサッカー型の二種類があるというお話しも面白かったです。日本の独自性を打ち出しているビジュアル系やアニメは、「相撲型」で、クラブミュージックなどジャンルそのものが世界横断型になっている場合のアーティストは、セリエAで活躍するという「サッカー型」で、作戦も方法論も違うという話です。私は、「大相撲も横綱は外国人だし、J-popもハイブリッド型をイメージした方がよいのでは」と発言しました。後から思ったのですが、日本の武道からオリンピック種目になった「柔道→JUDO型」も入れて、3種類をイメージすると良いのかもしれませんね。
 これを機会に、色々な方との意見交換の場も増やして、積極的に「グローバル化」を推進していきたいです。

この日のシンポジウムに関連するツイートがこちらにまとめられて(トゥギャられて)います
トゥギャッターは、本当に便利なサイトですね。

 私自身は、前半で「五分でわかる音楽業界」と題して、日本の音楽ビジネスの現状をまとめ、後半は、昨年から始まった海外向けのアーティストプラットフォーム「SYNC MUSIC JAPAN」をご紹介しました。当日の資料をスライドシェアにアップしてありますので、興味のある方はご覧下さい。

 グローバルというのは、プロデューサーとしての私のテーマの一つです。これまでもレコーディングやライブツアーなどの海外活動を数多く行ってきましたし、タイ人を所属させてマネージメントまでしました。誠ブログに「グローバルな音楽活動視点でのスイバケ・プロデュース」という原稿を書きました。こちらもご覧下さい。

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