2015年3月24日火曜日

SXSW2015〜輝きを増すオースティン、これぞ地方創生だね。

DMM.akibaも存在感あった
 今年もSXSWに行ってきた。初めて訪れたのは10数年前で、今回は7回目くらいだろうか?自分がプロデュースするアーティストを連れて行ったこともある。その時は、10代の女の子を10人連れてアメリカ横断ツアーをやったから、大変だったけれど、今や懐かしい思い出だ。

 今回の僕の役目は、TRADE SHOWの中でのJAPAN PAVILINとオースティン中心部で行ったJAPAN DAYのお手伝い。プロデューサーと言えるほどのことはしてないけれど、オールジャパンでプレゼンテーションできる場をSXSWの中に作ることは、めちゃくちゃ重要だったと思っているから、微力ながら、頑張っている。
JAPAN PAVILIONブース
 JAPAN PAVILIONは3年目になる。SYNC MUSIC JAPANを中心に、日本のコンテンツを伝える場になっている。
岩佐氏直々のデモ
 3年連続でオースティンに行って、今年感じたのは、日本人が多くなったなということ。特にインタラクティブ期間にこんなに日本人を見かけることは無かった。日本のIT企業、スタートアップにSXSW重要性が浸透してきたのは本当に良いことだなと思う。

 TwitterSXSWでの受賞をきっかけにブレイクして、インタラクティブ部門に世界中から人が集まっているのに、日本からは誰も来ないと、SXSW ASIA代表の麻田さんたちに相談されたのは6年位前のことになるだろう。セカイカメラ時代の井口尊仁さんを推薦したのが功を奏したようで、日本におけるSXSWの浸透がすごく進んだ。
SIX Award受賞の喜びの様子

 今年は、SIXという会社Accelerator AwardsBEST BOOTSTRAP賞受賞した。発表の時に客席にいたけれど、日本の会社が賞を取るのはやはり嬉しい。

JAPAN DAY会場のHighland 
 JAPAN DAYもお陰様で成功した。指輪型ウェアラブルデバイス「Ring」開発者のログバー吉田卓郎さん、CESでも注目されたハードウエア企業Cerevoの岩佐琢磨さん、ヘッドマウントディスプレイ「FOVE」の小島由香さんという話題のスタートアップや、CNN「女性のビジョナリー10 人」にも選ばれたWomen’s Startup Labの堀江愛利さん、Perfume のコミュニケーションデザインで有名な電通の菅野薫さんなどが登壇してくださった。SXSW Interactive部門のディレクターのHUGH FORRESTさんが、日本向けに話してくれたのも、とても有益だった。

 フィルム部門に出品されたドキュメンタリー映画『MADE IN JAPAN』が話題のトミ藤山さんも、駆けつけて、1曲歌ってくださった。
 
 この日の夜には同じ会場(Highland Lounge)で会場でPerfumeがヘッドライナーの公式ギグがあるので、前日深夜から午前中は、Perfumeチームにリハーサルできるように手配したので、仕込みからGPを拝見することができたけれど、素晴らしいメディアアートだった。Perfumeの伝説がまた一つ増えたと思う。
左から司会のKevi,吉田,岩佐,金子

 それにしてもオースティンの街の発展ぶりはすごい。僕が始めて訪れた10年数年前だったと思うけれど、音楽祭としては、素敵だったけど、正直、テキサスの田舎町という印象だった。

Perfumeファン
 近年は、開発も進んで、高層ビルやホテルが増えた。アメリカで一番近の上昇率が高いという話も聞く。テキサス州は、アメリカ建国の過程で独立の国だったこともある、地元愛の強い土地柄だ。州政府の税政策なども効果的だそうで、大手IT企業が本社機能や研究所をテキサスに置くことが増えている。トヨタの米国法人も本社をオースティンに移すと聞いた。発展のトリガーになったのは、間違いなくSXSWだ。2週間弱という長い期間になっているとは言え、一つのカンファレンスイベントが街を発展させるエンジンになるなんて、すごい話だ。

 折しも、安倍政権は、地方創生をテーマに掲げている。これからの日本で、街を発展させるなら、ダムや発電所、橋や高速道路を作っても効果は薄い。オースティンに学ぶべきではないか?今回はオースティンのアジア系企業が作っている商工会議所の方ともお話したけれど、街の発展を実感されていた。

期間中は人力自転車が大活躍
 そんなこんなで、ますます注目を集めているSXSW。注目を集めている分、理解が浅いケースもあるように感じる。中には、ITスタートアップのためのカンファレンスだと思っている人もいるようだ。音楽、映画、インタラクティブ部門が渾然一体としているのが、SXSWの個性だし、最大の魅力だ。
 行ってみないとなかなか実感はできない、他に類を見ないイベントだけれど、少しでも知ってもらうためのイベントを企画することにした。
いたるところで開発中
 SXSW ASIA代表の麻田浩さんは、音楽プロデューサーの大先輩だ。SXSWのファンダーチームと古い友人という関係で、長年REPを務めていらっしゃる。
 JAPAN NITEという日本のアーティストを紹介するショーケースも20年続けていて、毎回、SXSWを皮切りに、東海岸から西海岸までのアメリカ横断ライブハウスツアーもやられている。麻田さんには、SXSWの本質を語っていただきたい。主催者のフィロソフィーが明確だったのが成功の秘訣だと思うからだ。

 近年のSXSWのトレンドと、2015年のダイジェストは、AOIpro戦略事業本部の北村久美子さんにお願いする。彼女は、日本最大手CM制作会社の新規事業担当の執行役員だ。毎年、何人もの社員に事業プランを立てさせ、SXSWのメンターセッションを受けさせるという素晴らしい施策をやっている。セミナーも事前にリサーチして、ポイントとなるセッションは手分けして受講している。近年のSXSWのキーノート、セミナーを最も掌握している人なので、貴重な話が聞けると思う。
 
 シブハラミーティングは、4月か2回目。START ME UP AWARDSの関連イベントとして、朝日新聞メディアラボと共同で始めた。起業家、起業志望者、プログラマー、音楽、映像の業界関係者、音楽家、クリエイターなど、いろんな分野の人達が集う場にして続けていきたいと思っている。
●シブハラーティングVol.2 「SXSW2015徹底レポート」

 デジタル時代のプロデュース感覚を身につける「ニューミドルマン養成講座」は、5月後半から第2期を始める。この期は「音楽業界の構造を読み解く編」と名付けて、「ニューミドルマン視点で日本の音楽ビジネスを知る」というテーマでやる。業界の第一線の素晴らしいゲストが来てくれる。
 ミニセミナー付きの説明会もやるので、興味のある人はどうぞ。
●第2期ニューミドルマン養成講座〜音楽業界の構造を読み解く編〜

2015年3月2日月曜日

6冊目の本は恋愛本!?ラブソングラボって何?朋ちゃん推薦が嬉しい。

 最近のinstagramを見返していたら、スタバのコーヒーやBARで飲むジンソーダの写真の横に「原稿書いている」とか、「原稿が進まない」とか投稿している自分がいる。昨年末から1時間でも空いていたら、PCを広げて原稿を書く、ゲラやプリントアウト原稿を持ち歩いて、赤ペンで直しを入れるという生活が続いている。去年の12月の時点で、4冊の本の出版が決まっていた。本当にありがたいことだけれど、時間が足らない。

 旧い友人達は、「最近は作家さんみたいだね。」と励ましのような、小馬鹿にしたような感想をくれるけれど、〆切がいくつもある生活は生まれて初めてだ。やってもやっても終わらないし、でもやらないと終わらないと思いながら、本業の合間は、すべて原稿書きに充てている。元旦に思ったのは、「ライター本業の人ってすごいな」ということ。永遠に〆切があるように思える生活なんて、絶対に無理だ。書くこと自体は好きな行為だけれど、プレッシャーも感じるし、マネージャー出身者としては、他のスタッフに自分が〆切が遅れることで迷惑を掛けるというのが耐えがたい。

 そんな中、この本は楽しくやらせてもらった。数えたら6冊目になる。本日32日出版の『とびきり愛される女性になる。』は、なんと恋愛本!迷える女性達に恋を指南をするって、そんな資格は1ミクロンも有していないけれど、サブタイトルに「恋愛ソングから学ぶ魔法のフレーズ」とあるように「ラブソング解析」という一点で、許していただきたいと思っている。示唆を与えているのは、楽曲であり、その歌詞を書いたアーティストで、あくまでそこを繋いでいるだけ。恋の神様はアーティストで、楽曲がバイブルで、僕らは牧師の役割という喩えは、敬虔なクリスチャンには叱られるだろうか?生臭坊主ということで、勘弁してもらおう。
しかも僕一人では無い、優駿な盟友、伊藤涼さんとの共著だ。一昨年から始めたCREAwebの連載「来月流行るJポップ」が、好評をいただいていて、ローソンHMVエンターテインメントの出版セクションからお話をいただいた。あの連載も、伊藤涼を「歌詞アナリストとして売り出す」というのが影の目的だったから、今回の企画案がスタッフから出たときの、僕の第一声は「それは伊藤涼が活かせます。その案にしましょう」だった。この本では、ラブソングの歌詞フレーズを拾い上げて、そこから恋の処方箋を書くという肝の部分は、彼の力量だ。僕は、全体の企画を整理するプロデュース的なことと、読者とのアタッチメントである文体を決め込むのが主な役割だった。

 伊藤さんと取り組んでいる作曲家育成でも「コーライティング」の作曲法を推奨しているけれど、まさに僕らの著作活動も「コーライティング」的だ。印税は折半と最初に決めて、得意分野を責任範疇としながら、思いついたことは言い合って作品をつくっていく。楽曲のデモテープをつくる時と同じやり方だ。
 ちなみに、4月に『最先端の作曲法!コーライティングの教科書』という本をリットーミュージックから共著で出す予定なので、共作の意義や可能性の話はその時に書こうと思う。

 恋愛は、若い女性の最大の関心事。以前より、人々の話題から音楽の話が減っているような気がして、コアな音楽ファンでは無い人たちに、Jポップへの関心を少しでも喚起できたら嬉しい。というか、CREAwebの連載もそうだけれど、音楽プロデューサーとしての僕の動機は、そのことに尽きる。
 ただ「ほら、いい曲だから聴いてよ」と押し付けがましくならないように、できるだけ読者の視点と合うように工夫したつもり。出版社側から提示された想定読者は、20代から30代のOL層。僕の普段の生活ではお会いすることの無い人たちだ。
 見えない人にメッセージを書くというのは、なかなかロマンティックな行為だった。

 帯に推薦文をいただこうということで、スタッフ含めて話し合って、華原朋美さんにお願いすることにした。想定読者からの好感度が高く、恋愛の機微がわかっていて、今も頑張っているというイメージがピッタリだった。写真付きでのコメントを快諾していただいた時は、久々にガッツポーズが出るほど嬉しかった。
 まだ準備中のフェイスブックページをTOKYOFMLOVE CONNECTIONのスタッフが見つけてくれて、番組に出演依頼をといただいたのはビックリした。アーティストのPRでは、日本中のラジオ局に数え切れないほど言っているけれど、自分が出演するのは、一昨年のNHKFM『元春レディオショー』以来二度目だ。佐野元春さんと二人っきりで話したあの時ほどでは無かったけれど、やはり緊張した。聞いてくれた人ありがとう。コメント収録だったせいもあって、ちょっと堅すぎたなと反省した^^;

 伊藤涼との共著は初めてだし、せっかくだから何かやろうと話していて思いついたのが、オリジナル楽曲の制作だ。この本は、48曲のラブソングから象徴的な歌詞のフレーズを引用して、恋愛に役立ててもらおうという趣旨になっています。その48のフレーズをコラージュ的に組み合わせて歌詞にして、オリジナル楽曲をつくってみた。制作は、作曲家育成「山口ゼミ」卒業生によるクリエイティブ集団CoWritingFarmの選抜メンバーだ。3人×2組で、2曲つくった。作曲だけで無く、アレンジやボーカルもメンバーによる作品だ。『なんていうかさ』『UNDO』の2曲。先行配信リリースがAmazonJポップチャート1になったのは、コミュニティとなっている「山口ゼミ」のファミリーパワーの後押しが大きいのだろうけれど、幸先の良いスタートが切れた。
 本の宣伝をYouTubeするにも、紹介した楽曲の許諾と取るのは難しいから、この2曲のコラージュソングでリリックビデオを作っているので、是非、観てください。

 今回の著者のクレジットは「ラブソングラボ・山口哲一、伊藤涼」となっている。出版社の要請を受けてつくった、急ごしらえの「ユニット」だけど、名乗ってみたらなかなか気に入っている。「山口ゼミ」卒業の作曲チーム「CWF」のメンバーや伊藤涼主宰の「リリックラボ」卒の作詞家が、研究員として参加してくれている。選曲に当たっては、ローソンチケットはHMVの会員アンケートも参考にしたから、協力してくださった皆さんも「ラブソングラボ」のメンバーだと僕らは思っている。

 担当編集者は次作も出したいと言ってくれているので、本を読んでの感想や、本書に触発されて、楽曲と結びついた恋の思い出のエピソードなど、フェイスブックページやツイッターで教えてくれたら、思いっきり参考にさせてもらうつもりなので、よろしくお願いします。そんな感じでブラッシュアップして、ラブソング×恋愛力アップ企画を考える「ラブソングラボ」活動も続けていきます。


 こんな日々の中でメルマガ発行できずにいます。ごめんなさい。必ず再開するので、ちょっと待ってね。週末にニュースチェックしてキュレーションするのは僕にとっても良い習慣なので続けたいのだけれど、時間がとれていないので、やり方考えています。
 1月から始めた「ニューミドルマン養成講座」も、熱気と活気が感じられて、めちゃやる気になっている。ゲスト講師の熱量もすごく高くて感謝。前向きに継続するつもり。 
 まずは、原稿を書きまくります。どこかのスタバでPCを睨んでいる僕を見つけたら、優しく声を掛けてね。

2015年2月1日日曜日

PLAYSTATION MUSIC発表! 〜”凋落”ソニーの”賢明”な選択!?


 ソニーが自社の音楽ストリーミングサービス「Music Unlimited」を終了して、Spotifyのサービスを使った「PLAYSTATION MUSIC」を開始するとの発表が行われた。自社の音楽サービスをあきらめて、スウェーデンのベンチャー企業の、いわば軍門に下る形を選んだのだ。


  驚きがあったけれど、当然とも思った。Music UnlimitedSpotifyの両方を使ってみれば誰でもわかることだけれど、サービスの質に差がありすぎる。2年以上前になるけれど、試した時のショックが忘れられない。ユーザーにとっての利便性が悪すぎるのだ。おそらくソニーは、ハードを重視した設計で、セキュリティにも最大限配慮したのだろうけれど、いくらなんでも使い勝手が悪すぎた。
 1ヶ月の無料体験をするのに、クレジットカードを登録しないとできないなんて、供給者の論理を丸出しの、あり得ないユーザー導線だ。使いやすさの「サクサク感」にも大きな開きがあって、日本を代表する企業であるソニーがスウェーデンの歴史の浅い企業に完敗しているって、日本人として悔しいし、恥ずかしいと思ったのを鮮明に覚えている。
 
 俯瞰してみると、今回の選択は賢明だ。オンデマンドのクラウド型音楽ストリーミングサービスというモデル。ネット上にジュークボックスがあり、アクセスする権利を月額定額(サブルスクリプション)で販売するというサービスは、世界では、もう淘汰に向けてのパワーゲームが始まっている。音楽はユーザーを集めるためには有効だけれど、権利者側に売り上げの7割程度を分配するので利益率は高くならないし、サービスの差がつけにくい。あと3年程度で、世界で2〜3社に集約されていくだろう。Facebookと連携しているSpotify が先行しているけれど、その椅子に、アップル、グーグル、アマゾン、マイクロソフトといったネット界の巨人たちが割り込もうと狙っている。サムソンなども含めて、既に始まっている争いに、ソニーのMusic Unlimitedが勝てる可能性は、ほとんど無かった。負ける戦からは降りてしまうのは得策だ。当然の経営判断だと思う。

 問題は、海外と日本の経営戦略がちぐはぐなことだ。平井社長の「ワンソニー」のかけ声が虚しく感じられる事態だ。世界中でユーザーを増やしているSpotifyの日本でのサービス開始を阻止してきたのは、他ならぬソニーミュージックエンターテインメント(SME)なのだが、その方針はPLAYSTATION MUSICが始まっても変わらないらしい。日本のSMEには、iTunes Storeに楽曲提供を7年間も行ってこなかった「前科」がある。あの時は、フィーチャーホン向けの配信サービス「着うた」市場ができたし、ユーザーは、レンタルCDという日本にしか無い業態でiTunesが無いことを補っていたけれど、ストリーミングサービスに関する代替案は今のところ無い。

 SMEも出資してLINE MUSICが間もなく始まるとインフォメーションされてるが、そもそも、昨年春に始まる予定だったのを止めたのはSMEだ。今春に始まったとしても「一年遅れた」間に、サービス内容が進化した訳ではない。いつの間にか、ソニーミュージックという会社は、日本の音楽業界で最も保守的で、時代の変化にブレーキを踏むだけの存在になってしまっている。アップルの創始者ジョブズがソニーのファンで、iTunesの生態系は、ウォークマンとNTTdocomoのiモードをモデルにしたというのは有名な話だけれど、イノベーションの象徴だったソニーが、守旧派になっている事態は、ソニーファンでなくても悲しいことだ。

 元ソニーの先輩方に伺うと、「もうすぐ海外のファンドに買われて終わるね」と悲しい目でお話しされることが多い。近年のソニーは、生保損保以外の主な収益源は、事業譲渡と不動産売却になっているような状態だから、さもありなんと思わされる。口の悪い友人は、「孫さんが音楽部門を買ってくれたら、ソフトバンク・ミュージック・エンターテインメント、SMEのままでいいじゃない」と言っている。マイケルシェンカーグループのボーカルが、ロビン・マッコーリーになっても、MSGと名乗っていた以上の違和感があるけれど、そうなったら、日本の音楽業界の改革は進むだろうなと思ってしまう。

 ソニーは日本の戦後ベンチャーの代表で、ウォークマンは、ライフスタイルを変えた革命的商品だった。CBS/SONYEPIC/SONYといったレーベルの格好良さに憧れてきた僕にとっても、本当に残念な状況だ。

 目先の話で言うと、日本の3万人位はいるはずの、Music Unlimitedユーザーはどうするのだろう?この理由だけでも、日本でのSpotifyローンチを推進する側に回るべきだと思う。使い勝手の悪い音楽サービスに月額1000円を払ってくれたソニーファンのユーザーを見捨てるのは、メーカーの責任としてあってはならないことだろう。

 LINE MUSICでも、サイバーエージェントがエイベックスと組んで始めるAWA MUSICでも、「フリーミアム」モデルは採用されないらしい。理由は、楽曲を許諾するレーベルの反対だ。「フリーミアム」は、無料と有料のサービスを組み合わせるという概念で、誰でも無料広告モデルで使えるようにして、サービスの価値を体感させて、有料会員に誘導するという、インターネットにおける近年の優れた「発明」の一つだ。特に音楽サービスにおいては、その有効性は十分に証明されている。Spotifyを体験したユーザーの3割以上が有料会員に移行するというのは驚異的なデータだ。

 音楽ビジネスにおいて大切なのは、たくさんの人に楽曲を聞かせて、支持されて、その人気をお金に換えていくということだ。従来のラジオやテレビを使って楽曲を知らせて、CDを買わせるという仕組みをネット上で代替することが行われつつあるのだ。もちろん、無条件に受けいれるのではなく、検証は必要だけど、ただひたすら「音楽は無料じゃダメ」と言って、全否定しているメジャーレコード会社の姿勢は、前近代的過ぎる。

 想起されるのは、新興宗教の熱心な信者が、教義を守るために手術の際に輸血を拒否するという話だ。今のレコード会社の「ともかく無料で聞かせてはだめだ」という頑なな姿勢は、そんな信者たちの姿とダブって見える。問題は、輸血を拒否する信者は本人が死ぬだけだけれど、レコード会社の頑強さは、アーティストやユーザーを道連れにして、共倒れになることだ。

 彼らの教義の元は、従来の音楽業界のシステムに起因している。「大切な作品を知らない奴らに触らせたくない、音楽を愛する人がしっかり届けたい」という真摯な想いがベースにあったりするから難しい。これまではCD店はレコード会社と直契約した特約店だったし、着うたもシェアの7割は、レコード会社が共同で運営する「レコチョク」が握っていた。

 アーティストサイドにいる僕としては、その想いに感謝の気持ちは十分にあるつもりだけれど、「もう、あなた達の正義はカビが生えてしまっているんですよ」と教えてあげたい。テレビ番組やTVCMのタイアップをとる以上に、ユーザーがソーシャルメディア上でシェアしてくれることが音楽が広がるために大事な時代だ。音楽はみんなで共有する時代になっているし、アクセス権をコントロールしてマネタイズの方法論を工夫することに知恵を絞るべきだ。時代にあったビジネスモデルに再構築しなければいけないのだ。

 本音を言うと、僕が危機感を持っているのは、ストリーミングが始まってないことではない。iTunesに代表されるアラカルト型のダウンロードサービスが普及せず、パッケージ市場が健在な日本は、ストリーミングサービスとの相性は良い。音楽を聞いたり、友人に薦めるのにはストリーミング、好きになったアーティストとの関係性を深めるのにはパッケージ購入という構造が、普通に期待できる。今年からでもフリーミアムモデルが始まれば、音楽家にとって、欧米よりも理想的な市場が形成される可能性は十分にある。

 僕は恐れるのは、今年も普及せず、ぐずぐずしている間に、欧米で「次のイノベーション」が起きてしまうことだ。今の「周回遅れ」は、まだ挽回できるけれど、世界が次のフェーズに行ってしまったらもう無理だ。日本の音楽業界を守るためには、本格的な鎖国しかないだろう。もちろん、海外にJ-POPを売るという「クールジャパン」政策も音楽については終了だ。
 日本の豊穣な音楽シーンが発展するために、ITベンチャーなどに刺激を与えるために、「国際標準」の音楽サービスを日本に普及させることは必須なのだ。
僕が育った日本の音楽業界には、すばらしい仕組みや人材がたくさんあって残すべきこともたくさんある。時代に合わせて変わらなければ、大切なものを守ることもできない。Change to survive!というのは、僕自身のテーマでもある。

 あらゆる意味で、ソニーの経営陣が判断した「PLAYSTATION MUSIC」という選択を、日本にも即刻適用するべきだ。日本の宝であるソニーグループが間違った判断をしないように、心の底から願いたい。そうじゃないと、Jポップが死んでしまう。
 
 僕なりの現状への危機感から始めた「ニューミドルマン養成講座」は、新たな音楽ビジネスを構築したいという、意識の高い受講生が集まってくれていて、光が見える思いだ。ゲスト講師も高い意欲で取り組んでもらえて、本当に感謝している。今、日本一の音楽ブロガーと言ってよいだろうジェイコウガミ君が、講座の最後に語った言葉が心に響いた。 

「音楽の未来を語るのはもう止めにしませんか。周囲にある今が全てです。」

 同感だ。Change to Survive.

2015年1月5日月曜日

作曲家育成セミナー「山口ゼミ」を続けている理由

 「山口ゼミ」を始めたのは、20131月だったから、3年目が始まろうとしている。きっかけは、「作曲家向けのセミナーをやってみませんか?」という後輩社長からの提案だった。どうせやるならと自分なりに掘り下げて考えたプロジェクトだ。
 アーティストマネージメントの使命は、新たな才能を世に出すことだと思って長年仕事をしてきたから、新人クリエイターの育成には、ある程度の自信はあった。音楽の才能というのは、泉や温泉を掘るようなところがあって、デリケートで難しいけれど、経験値はそれなりに持っているつもりだった。

 「山口ゼミ」とネーミングしたのは、責任の所在を明確にしたかったから。同じ年で親友の柳延人君が、ヘアーメイクアーティストとしてバリバリに活躍しながら、後進育成のためにやっているセミナーが「柳塾」だったのに啓発されたのもある。
 2人とも50歳になって、見た目も精神も変わらずにビックリだけど、50代に突入したら「50/50」というタイトルで、美容と音楽をメインとしたカルチャーTV番組をやろうと話してた。今年は具体的に考えたいな。

 さて、「山口ゼミ」では、マネージメントで培ってきたノウハウをセミナー形式でやるためにはどうすればよいかを考えた。専門学校の先生は、僕から見ると「元プロ」の人がほとんどだったから、自分がやるなら、今、ヒット曲を作っているサウンドプロデューサーの息吹を生で感じられるようにしようと思った。そもそも現役の音楽家じゃ無いと、僕に興味がわかない。ホストが楽しんでないトークイベントほどイケてないものは無い。そう、「山口ゼミ」は、授業というよりは、トークショーに近いのだと思う。



 世の中の音楽学校がどういうシステムかは詳しくは知らないけれど、今の状態からスキルを向上させる方法を教えているのだと思う。ほとんどの場合は、それだとプロに届くところまで育たない。平均点を上げることはできるのだろうけれど、プロのA&Rやプロデューサーが、新人作曲家に求めることは、「バランスが悪くても何か突出した才能が感じられること」だ。スキルを少しずつ向上させていっても、目的地に届くことは少ない。

 僕が伝えられることは、プロの第一線で行われていることを実感させてあげることだ、このレベルをクリアするのが前提だよ、と水準を肌で感じることが一番重要だ。そこを超える方法は、自分で創意工夫するしかない。もちろん気づきのチャンスを増やすためのアドバイスはするけれど、叱咤激励以外に他人ができることは限られている。

島野聡さんの説明は秀逸
 そもそも、こんな事をやろうと思ったのは、音楽業界の新人クリエイター育成のシステムが弱まっていると感じているからだ。以前は、「メジャーデビュー」が、次期のサウンドプロデューサーのインキュベーションの場になっていた。今、活躍している作曲家、サウンドプロデューサーは、僕が知る限り、ほぼ例外なく、アーティストとしてメジャーデビュー経験者だ。だから、若い音楽家で、「将来はアレンジャーになりたいんです」という相談に対して、以前は、「歌えるメンバー見つけて、グループ組んでデビューしなよ」と薦めていた。


 大御所プロデューサーの渡辺善太郎さんが「詩人の血」というグループでEPIC/SONYからデビューしたことを知っている人は、ほとんどいないだろう。大先生になっている菅野よう子さんも「てつ100%」というグループのキーボーディストだった時のライブを観ている。最近は大活躍の蔦谷好位置君が所属していた「CANNABIS」というバンドは、マネージャーもメーカーディレクターも仲間がやっていたので、応援していた。

伊藤涼さんとヒロイズムさん
 これらのグループは商業的には成功しなかったけれど、その時の経験とネットワークが、一流のサウンドプロデューサー、作曲家とさせているのだ。

 以前の音楽業界は、メジャー契約というのは3年間が普通だった。アルバム3枚位はメジャークオリティの作品を創る環境が与えられた。第一線のエンジニアやアレンジャーなどと一緒に作品をつくることで成長する機会があった。当時はプロフェッショナル向けのスタジオで作業するのが普通だったらレコーディングに関するノウハウも自然と身につけられた。大きなスタジオは、いくつものセッションが行われていたから、スタジオのロビーは音楽家のサロンで、先輩ミュージシャンと交流する場にもなっていた。

 業界が申し合わせをしていた訳では無く、偶然だったけれど、メジャーデビューをしてからの数年間がプロの作曲家のインキュベーションの機会となっていたんだ。
 ラジオに出て自分の作品について語ったり、音楽雑誌のインタビューを受けたり、レコード会社のスタッフに意味わからず「売れる曲つくれ」と言われたりする経験も、プロデュース側に回ってみると貴重な経験となる。
多胡邦夫さんとの打上げ後のスナップ

 近年はそういう場は、ほとんどなくなってしまっている。プロフェッショナルスタジオで作業する機会も少ないし、シングルを数枚出して売れなければみたいなスパンが多くて、新米音楽家が経験を積む機会としては、あまりに貧しい。


「このままだと新人作曲家はボカロPだけになってしまう!」という危機感を持った。ニコ動は面白い場だと思うけれど、音楽シーンの過去の流れとは隔絶していて、Jポップが培ってきたクオリティやノウハウが受け継がれていない。

 僕が「山口ゼミ」でやろうとしているのは、そんなインキュベーションの代替機能だ。一流のサウンドプロデューサーに来てもらって、僕が横からチャチャ入れながら、本音で話をしてもらう。本当に一線で作品を創っている人の息吹を感じるのが一番意味があると知っているからだ。たくさんの人が貴重なお話しをしてくれて、その友情には本当に感謝している。公式サイトにコメントもくれているので、興味のある人は読んでみて欲しい。

 浅田祐介さん、TAKU☆TAKAHASHIさん、Ken Araiさん、今井大介さん、nishi-kenさんと、どれも素敵なコメントだ。みなさん、新人クリエイターが育つ場がなくなっているという危機感は共有してくれているからなのだろうけれど、めちゃくちゃ協力的でありがたい。

 いつの間にか副塾長と名乗るようになってくれた伊藤涼さんの「コンペに勝つデモテープの作り方」という講義は秀逸だ。普段は、黒い幕の向こうに隠された大型コンペというのが、どういう構造、価値観で行われているかを体感できる「疑似コンペ公開添削」は、毎回、受講生の緊張感がよい感じだ。伊藤涼の辛辣なコメントを「伊藤斬り」と名付けたのは僕だけれど、斬られても、斬られても立ち向かってくる奴は、確実に力をつけてくる。


 「山口ゼミ」の講義と並行しながら、新人作曲家のための本も2冊監修して出した。『プロ直伝!職業作曲家への道』は、第1期の講義をやりながら並行して書いていった。昨年出した『DAWで曲を作る時にプロが実際に行なっていることは、自宅作業が主になった作曲およびレコーディングについて、一流作曲家が何をやっているかをわかりやすくまとめた本だ。受講生との肌感覚で必要とされていることをまとめたつもりだ。

 「山口ゼミ」修了生でプロレベルに達したと僕らが判断した人だけで構成する山口ゼミのOBOG会「Co-Writing Farm」は、39人の大所帯になった。昨年末には、NEWSMISIAで採用されるという朗報も届いた。
素晴らしい環境のキティ伊豆スタジオ
 最近のコンペは商品レベルのデモクオリティが求められるから、コーライティング(共作)というデモの作り方も有効だ。自分の得意な部分を活かしながらのコーライティングがそここで行われている。

 育成にはある程度、自信があったけれど、嬉しい誤算だったのは、受講した人達がコミュニティをつくって、その場にエネルギーが生まれていることだ。作曲がPCに向かった孤独な作業になっている時代だから、同じ仲間を持った仲間が居ることは貴重なのだろう。年齢や立場を超えて、濃密なコミュニケーションが行われているようだ。

試聴会後の記念撮影
 老舗リゾートスタジオであるキティ伊豆スタジオに協力してもらって、コーライティングキャンプも二度やってみた。一泊二日で1曲のデモを0から完成させるのは、ハッカソンみたいで面白いし、スキルを上げる機会にもなるから、定期的に続けるつもりだ。キャンプにゲストとして招いている作曲家は第一線の人達だけれど、刺激を受けてくれているみたいだ。

 そんな感じで「山口ゼミ」は、続けるつもり。約2ヶ月間で8回というの講座を年4回やっている。実績も上がっているので、作曲家志望の友人知人がいたら、まずは説明会に来るように薦めてあげてください。

●東京コンテンツプロデューサーズラボ「山口ゼミ」公式サイト
●MUSICMAN-NET Special Interview 山口哲一×伊藤涼

2015年1月1日木曜日

独断的音楽ビジネス予測2015〜シフトチェンジへ待ったなし〜

 新年明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いします。

 2012年から3年続けて同じテーマで元旦にブログをアップしてきた。今年が4年目。過去はある程度的中させてきたのだけれど、2014年の予測は、見事に大外れだった。多少は希望的観測は込めていたけれど、振り返ってみて日本の音楽業界の変化の遅さに、心の底から残念だ。 

 昨年の元旦に予測した3つは全く持ってダメだった

●ストリーミングサービスの本格的に普及する
 ご存じの通りだ。全く外れた。驚くべき事だ。
 Spotify の日本法人ができたのは2012年の12月だし、Japan代表として来日したハネス・グレーのウエルカムパーティを渋谷のバーで僕が主宰したのは、20131月のことだ。その時は、まさかJapanのサービスが始まらないままに2015年を迎えるとは夢にも思わなかった。 
 鳴り物入りで発表されたLINE MUSICも始まらなかった。昨年の5月ローンチのはずだった。
 全ての理由は、もちろんレコード会社の許諾がでないことだ。サービス事業者としては、一定以上の作品を揃えて、サービスを開始したいと考える。日本の法律では、音楽ストリーミングサービス事業を行うには、楽曲ごとにレコード制作者と実演家の著作隣接権をクリアーする必要がある。アーティストや事務所がOKでも、レコード会社がNoと言ったら配信できない。レコード会社が許諾を出さなかったことが原因で、ストリーミングサービスが始まらなかった、とても残念な2014年だった。

O2O活用でCD店が活性化する
 もちろん起きなかった。Online to Offlineというのは、ネット上にコンテンツがあって、それをリアルに反映させるという考え方だから、ソーシャルメディア上に楽曲が無いのに、店舗にフィードバックさせようが無い。昨年はCD店側から、「売ろうにも商品がレーベルから出てこない」という悲鳴に近い声を聞いた。
 特に新人アーティストを売り出そうという姿勢がメジャーレーベルに見られないのは、本当に残念だった。

●ストリーミングサービス発のヒット曲が出る
 欧米では新しいヒット曲の方程式になっているのだけれど、日本ではもちろん、出るわけが無い、以下、同上。

 もう、日本を離れるか、職業を変えるかと思い詰めるくらいの2014年だった。

 ただ、昨年の後半から流れは変わっている。
 どういう経緯かは知らないが、大手レーベルの姿勢が変わったのだ。昨年の前半までは、奥深いところで「できるかぎり時計の針を前に進めない」という力学を感じたのが、何故か「来たるストリーミングサービズでもレコード会社が音楽流通の中心を担う。そのために動く」という意思変更が行われたようだ。
 アーティスト側に立って仕事をし続けている僕の立場で言うと複雑な心境もある。でも300歩譲って、音楽ストリーミングサービスの普及に取り組んでくれるのなら、それが良いと思う。
 ストリーミングが全てを解決する訳ではもちろんないけれど、音楽シーン活性化に必須の「ソーシャルメディア上で音楽ファンが好きな曲を広める」という状況が成立するためには、ストリーミングサービスへの楽曲許諾がマストだ。理由はともあれ、ともかくサービスを始めて欲しい。そのために役に立てることがあるなら何でもしたい

 LINE MUSICは、LINEとソニーとエイベックスの合弁会社がサービスを行う。アメブロを運営するサイバーエージェントとエイベックスも提携してサービスを始めるようだ。本当に頑張って欲しい。
 心配なのは、呉越同舟、同床異夢な感じが満載なことだ。世界的に有効性が証明されている「フリーミアムモデル」を否定しようとしているらしいのも困ったものだ。無料と有料を組み合わせて、音楽との接点を増やしながら、有料会員を増やして、権利者側に売上の60%〜70%を還元するというストリーミングサービスの仕組みは、21世紀の優れた発明かもしれないのに、「音楽は無料で聴かせない」という原理主義で断罪するのは、新興宗教に固執して外科手術を断る信者のようだ。アーティストと音楽ファンのために、データと経済的合理性に基づいた判断をして欲しい。

 それから、レコード会社の音楽サービスに対する姿勢は「供給者目線」に終始している。「音楽は素晴らしいのだから、聴ける環境さえ用意すればユーザーはお金を払う」と思っているとしたら(ほぼ間違いなく、そう思っているのだけれど)時代錯誤の大きな間違いだ。
 LINEやサイバーエージェントなどのIT企業は、経済的合理性以外の判断が行われるとは想像もできないだろうし、ユーザー目線しか持ってないだろうから、そのままサービス設計をして欲しい。

 一年後に今の音楽シーンの状況が変わってなければ、僕はおそらくブログを書かなくなっているだろう。もう音楽プロデューサーと名乗ることすらやめているかもしれない。
 もちろんレコード会社だけの責任にするつもりは1ミクロンも無い。今年ダメならもうダメだ。そのくらいの危機感を持って、日本の音楽シーンの活性化のために頑張るつもりだ。

 危機感が勢い余って、次世代型の音楽ビジネスを学ぶための場をつくることにした。遠回りのようで、これをやらないと何も始まらない気がしたんだ。
 尊敬する田坂広志さん著書からの引用で「ニューミドルマン」と名付けて、セミナーを始める。従来のスタッフの職域は変わるけれど、アーティストとユーザーを繋ぐ仕事は必要だというメッセージを込めた。昨年行ったプレ講座に集まってくれた顔ぶれは良かったし、講師をお願いした方々から逆に熱意をいただいたりして、本格的にやる覚悟ができた。意欲のある人と一緒にやりたい。

 2015年が良い年になりますように。

追伸:メールマガジン「コンテンツビジネス・ニュース・キュレーション」の発行ができてなくてごめんなさい。毎週末にニュースをまとめて整理するというのは自分にとっても役に立つことなのですが、11月末のSTART ME UP AWARDSMUSICIANS' HACKATHONから、師走に突入し、12月後半からは2月に出る著作の執筆にと追い立てられていました。立て直して、継続するつもりでいますので、もう少々お待ちください。