2013年10月7日月曜日

『世界を変える80年代生まれの起業家〜起業という選択』を出版した理由


 僕にとっては4冊目となる書籍は、80年代生まれの起業家との対談集。

 若者の職業選択について語るなんて、分不相応なテーマ設定だけれど、強い問題意識を持って取り組んだつもり。

 きっかけはいくつある。
 元々は、音楽プロデューサーとして、「何故、日本から音楽ITベンチャーが出てこないんだろう?」という疑問があった。これからの音楽ビジネスを活性化するのはITサービスだ。欧米では、若い世代が面白い音楽サービスを立ち上げて、にぎやかなのに、何故日本では無いのか?残念に思っていた。

 ところが、ハッピードラゴンでふくりゅう君と二人でsensorというイベントを始めて、自分の認識が間違っていることを知った。音楽とITに関するトーク+懇親会イベントには、アントレプレナー(志望者)が観客として来てくれて、出逢いがあった。日本でも音楽ITサービスをやろうとしている若者は居る。ただ、音楽業界とまったく接点が無いから知らないのだった。猛烈に反省したし、すごく期待を持った。少しでもここを繋ぐ役割をしたいと思った。

 出版してくれたスペースシャワーネットワークの役員に、その話をしたら、書籍化しようという話をいただけた。音楽専門チャンネルスペースシャワーTVは、今年の12月に開局25周年を迎えるのだけれど、「昔は、面白い若い奴がMusic Videoをつくってた。今の世代はは、ITサービスやってるんじゃないかな?」というその方の言葉に、我が意を得たりと思った。

 それから、近年、大学などでの講義を頼まれる機会が出てきて、学生と話す機会が増えてきて、就職活動が、「シューカツ」と呼ぶ以外は、30年前から何も変わっていないことを知った。正直、驚愕した。

 80年代半ばに就職した同世代の友人達は、超売り手市場で、一流大学出身者だと接待されるみたいに、囲われて就職していた。当時の僕は「一流企業に就職する生き方は安定するけれど、魅力的で無い」と思って、自分で音楽の仕事を始めてしまったけれど、その後、10年も経たないうちに、銀行や一部上場企業も平気で潰れる時代が来て、「安定」ですら無くなった。

 高度成長時代のプロトタイプ的な「企業戦士」は、今の日本企業が求める人材では無くなっている筈なのに、新卒一括採用に仕組みは、ほとんど何も変わっていない。おそらくは、前例踏襲の惰性のたまものなのだろう。日本経済の活力を下げている一因に違いない。僕は、大企業の人事とは無関係な仕事だけれど、そこにも一石を投じたくなった。安易な起業は、もちろん良くないけれど、安易な就職と採用もどうなのよ?と。

 紹介する起業家に共通するのはポジティブな姿勢。独自のアイデアで成功に向かって邁進している。グローバルは当たり前。ソーシャルメディアもあるのが前提で、過剰な期待は持っていない。自然体で構えている。
 音楽業界でだけでは無く、日本社会が元気になるには、彼らの力が必要だと思う。紹介した全部の会社が成功するとは思わない。おそらくは経験するだろう失敗も含めて、価値があると感じている。
 僕自身、ITベンチャーのサービスと、コンテンツ業界、メディア業界とのハブのような役割を、少しずつでも担っていきたいと、微力ながら思っている。

<本書に登場する起業家>

creww 伊地知天 ...スタートアップ­起業家を支援!
tixee 松田晋之介 ...新世代のチケットサービスに挑戦!
Beatrobo浅枝大志 ...ロボット型ガジェットで世界­を席巻!
nana 文原明臣 ...スマホをマイクに、世界をつなぐ音楽を!
フリクル海保けんたろー ...ミュージシャン自らバンド支援!
Fogg関根 佑介...人気スマホアプリの企画­者から起業家へ!
TUNECORE 野田 威一郎 ... 世界的音楽配信サービスを日本で展開!
ワンプルーフ 平山和泉 ...eコマース支援の女神降臨!
Wondershake鈴木 仁士 ...ネットショッピングエンターテイメント!
クレオフーガ西尾周一郎 ...アマチュア作曲家向SNSを運営






 そんな思いで、まとめた本です。拙いところも多々ありますが、是非、読んでみてください。ご批判も受けたいと思います

 11月11日(月)に出版記念のイベントを計画中。決まり次第、詳細を発表します!

 ちなみに、ティザー映像は、尊敬するTOFUcreativeの大森さんに、帯の推薦文は、起業家と同世代の安藤美冬さんにお願いしました。ご協力をありがとうございました!

0 件のコメント: