今週から「山口ゼミ」が始まった。23人の受講生による8日間のコース。
人に教えることを仕事にするのは初めてだ。何となく、「本業で仕事が無くなると専門学校で教える」みたいなイメージがあったし、自分が教師向きとは思えないので、一切、断って、やってこなかった。
方針を変えたのは、執筆や講演の仕事もやるようなった(これもびっくりなんだけど)僕自身の変化もあるのだろうけれど、それ以上に、環境の変化が原因だ。今の音楽業界は、新人アーティスト、クリエイターを育てる「場」が少なくなってしまっている。僕自身、非常に危機感がある。以前は、メジャーデビューしてからの数年間が、プロフェッショナルのサウンドプロデューサー、作詞家作曲家育成の「場」になっていた。今はどんどん減っている。
この辺のことは、年頭にドリススピンに書いたので、詳しくはこちらをどうぞ。
僕もこれまでは、デモテープを送ってきたミュージシャンを選んで、こちらから声を掛けて、育成してきた。アルバイトしてた奴が年収1000万円位にするやり方は、いくつか実体験もある。(その位の段階で、勘違いや自己過信で、ワケのわからない言動をし出すような例を見たのは残念だった。お世話になった人たちに迷惑を掛けて、消えていった。そんな反省も活かしたい。「人間教育」も大切と学んだ。)
これまで、新人アーティストをプロデュースする際には、仕事の範疇なので、もちろん、「持ち出し」でやってきた。「山口ゼミ」は、みんながお金を払って来てくれる。
これまで、新人アーティストをプロデュースする際には、仕事の範疇なので、もちろん、「持ち出し」でやってきた。「山口ゼミ」は、みんながお金を払って来てくれる。
単純な比較はできないけれど、これまで、自腹でやってきたことを、ギャラをいただいてやるっていう気分もある。これまでは、こちらが選んだ人を育成したけれど、今回は、僕が選ばれて、育成をするという側面もあって、いずれにしても、不思議な気持だけれど、背筋が伸びる感じ。
受講してくれた人たちの才能は、まだ見極められないけれど、熱意は感じている。ヒット作曲家が出てくることを後押ししたい。というのは、いわゆる「公式見解」。もちろん「ブレイク」する人が出てくることは期待も支援もするけれど、マネージメントビジネスサイドにいる僕が中心になって始めた以上、スキーム自体で新潮流をつくりたいと秘かに思っている。
プロ野球では野村監督が、「野村再生工場」と言われていたけれど、プロの眼で発想を変えると、意外な伸びしろがあったりするものだ。「副塾長」伊藤涼さんも(作詞もするけど)策士なので、Co-Writingのユニット組成とか、これまでにない方法論に挑戦したいと思っている。
いずれにしても、8日間のコースを一回やっただけで、簡単に結果が出ることでは無い。継続していきながら、プロフェッショナルのクリエイターを産み出す大きなファームをつくっていくのが、このプロジェクトにおける僕の目標だ。
今年は年頭から、大言壮語が続いているけれど、1年後くらいには、誇らしげに成果を書けるように頑張りたい。
伊藤涼「コンペに勝つ方法」のデモテープ公開添削の3回以外には、3人の素晴らしいゲストをお呼びしている。
浅田祐介さん、島野聡さんは、超一流のサウンドプロデューサーで、尊敬する友人だ。長く音楽シーンの第一線にいる秘訣を聞き出したい。佐藤純之介さんは、ランティスのヒット・プロリュデューサー。「年間、何曲リリースするんだよ??」ってくらい多忙を極めるレコーディングなのに、無理を言って「アニソンの現場」を語って貰うことにした。
このゲストの3回は、トークイベント的でもあるので、単発でも聴講できるようにしたので、興味のある方は、のぞきに来て下さい。
「教えるは教わる」だと、昔から言うけれど、まさにそんな感じ。この「山口ゼミ」で、僕自身が何を学べるのか、実はその事が一番楽しみだったりする。
「山口ゼミ」について熱く語っている、伊藤涼さんとの対談が、3回に渡って、MUSICMAN-NETに掲載されてます。興味のある方はお読み下さい。
●「山口ゼミ〜プロ作曲家になる方法〜」開催記念 特別連載
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