2020年4月15日水曜日

作詞家がコーライトソングライターになる意味〜コーライティングムーブメントが起こす音楽制作の地殻変動

 7年目になる作曲家育成プログラム「山口ゼミ」に新しい潮流が生まれています。プロの作詞家がコーライトソングライターになるために受講するというケースです。その意味を整理したいと思います。
 当たり前ですが、J-POPを創る時に歌詞はとても重要です。日本の音楽ファンは歌詞への反応度が濃いと言われています。山口ゼミ〜Co-Writing Farmを一緒にやっている伊藤涼は「作詞力」という著書もあり、「リリックラボ」という作詞家育成プログラムもやっていますので、作詞家志望者が山口ゼミに目をつけるのは不思議は無いと思われるかもしれません。ただ、僕は日本におけるコーライティングムーブメントが新しいフェーズに入ったなと感じました。具体のケースに興味のある方は本人のブログを読んでいただくとして、僕はもう少しマクロな視点を提示したいと思います。

作詞家志望者の苦闘

 自作自演以外のアーティストの場合、近年は「曲先」と言われる、楽曲を完成させてから歌詞を発注するという形が一般的です。作詞家を指名したり、作詞家事務所を経由したコンペだったり、何人かの作詞家にお願いする「指名コンペ」だったりやり方はいつからありますが、いずれにしても「歌詞は最後にハメる」というのが一般的な作り方になっています。
 音楽に限りませんが、制作工程の最後になるということは、締切までの期間が短くなるケースが増えるということです。おのずと作詞家は辛い環境での創作を強いられることが多くなります。それでも実績があって指名をされるなら頑張り甲斐もあるでしょうが、作詞コンペに参加するだけだと、消耗ばかりしていくことになるでしょう。
 僕はこだまさおりがシンガーソングライターとしてデビューして、後に作詞家に転身して成功するまでの経緯をずっと近くで見てきたので、過酷な状況で鍛えられて、元々あるセンス・才能に職人的な技が加わっていくというプロセスに必ずしも否定的な訳ではありませんが、作詞家を目指す人全員にオススメできる環境ではありません。
 古い話で恐縮ですが、作詞家阿久悠は「詞先」の依頼しか受けなかったそうです。昭和を代表するミリオンセラーを山ほど出した大先生との比較は大げさになりますが、これを僕は「作詞家は楽曲のコンセプターだ」という意味に解釈しています。J-Popにおいて歌詞を書くということは本来「楽曲のコンセプト・核を決める」ということのはずなのです。ここでコーライティングの出現です。メロディメイク、トラックメイク、楽器演奏、シンガーなど、得意技を持ったソングライターたちが集まって、一つの楽曲を作り上げる、そこに「コンセプター」としての作詞(リリックライティング)の役割は大きくあります。
 そもそも、プロの作詞家でメロディメイクが全くできないという人はいるのでしょうか?現実にはコードが決められ、アレンジして、ミックスしてと自分で完成形まで作れないと、そもそも他人に聴いてもらえない時代です。「私は鼻歌しかできない」みたいに思って、メロディはつくれないと思っている人がケースは多いのかもしれません。トップライナーとしても関わりながら、コーライティングで作品を創っていく。そこに作詞家としての経験やセンスが活かせる場面は多いでしょう。

クリエイター主導の音楽制作へのパワーシフト

 背景として指摘しておきたいのが、音楽制作においてパワーシフトが起きていることです。20年位前までは、レコード会社のディレクターは良さそうなデモがあると、プリプロダクション(事前作業)用にスタジオを使って、完成形に近づけ仮歌を入れてみるというプロセスが一般的でした。タイアップ先やアーティスト本人や事務所の社長に聴かせるためのデモを作ります。その過程でディレクターが自分のイメージする作品に寄せていく訳です。
 デジタル化の進展で自宅録音のレベルが飛躍的に向上して、プリプロダクションは無くなりました。作曲家がそのままタイアップに出せるクオリティの高いデモを作ってくれて、それがコンペで選べるなら、その方がディレクターは楽ですし、コストも掛かりません。海外作家(アメリカ、北欧、韓国など)から、非常にクオリティの高いデモの売り込みが増えたこともそれに拍車を掛けました。ドラマのプロデューサーやCMのディレクターなど、タイアップのジャッジをするのは音楽の専門家ではありません。「この曲はこういう風にアレンジして仕上げたら素晴らしくなる」と想像力を要求するのは簡単ではなく、「これカッコいい」って聴けばわかるデモが重宝されるのは当然ですね。
 最近は、クリエイター提出デモがコンペで選ばれ、歌詞もアレンジもそのまま使われるというケースが増えてきています。具体的な工程としては、「採用なのでフル尺でください」(コンペは1コーラスのデモで行われるのが普通ですが、これもそろそろ欧米のようにフル尺になっていく気がしています)→「決定なので、ボーカル録音するためのカラオケください」→「ミックスするのでパラデータ下さい」→完成という流れです。クリエイター側にミックスの能力があるメンバーがいる場合は逆にボーカルトラックを受取ミックスも行うケースも少なくありません。つまり「ボーカル録音以外は全部クリエイターが作ったものがリリースされる」ということが普通になってきているのですが、これは欧米でも増えている現象で、決定権自体はディレクターにあっても、実質的な創作、制作のイニシアティブはクリエイターサイドに移ってきている訳です。この傾向はどんどん強まっていますし、そうなっていくでしょう。
 この音楽の制作にはコーライティングというやり方が非常に有効的です。それぞれの得意なスキルを出し合いながら、一つの目標に向かって真摯に議論し、作品を仕上げていく手法。バンドで音楽を作るときに、その人たちの組合せでなければ起きなかった奇跡的な良い作品ができると「バンドマジック」と言って喜びますが、コーライティングは、1曲ごとに「バンドマジック」を起こすようにする、「ソングバイソング・コーライティングマジック」が理想形です。一曲完成したら解散するバンドみたいないことです。やりたくなったらまた再結成すればいいのです。創作の大きな敵は「煮詰まってどうすればよいかわからくなる」なのですが、コーライティングはそれも回避しやすい方法論です。

コーライティングという手法の有効性はレコーディングエンジニアにも。

 作詞家と同じことが、例えばレコーディングエンジニアにも言えます。日本は欧米のように、エンジニアからプロデューサーへとなるパターンが少なく、天才的なレコーディングエンジニアは、職人的に名人になるというパターンが多かったです。立派なプロ仕様のスタジオが音楽制作のファクトリーになって潤沢な制作予算の時はそのことの良さがありました。メジャーレーベルと契約すると新人アーティストでも一流のエンジニアと仕事ができます。その経験で成長してサウンドプロデューサーになっていく人も多かったです。
 環境は変わりました。プロ仕様のスタジオは減っていき、レコーデイングエンジニアは絶滅危惧種となって若い才能が集まらなくなっています。その処方箋もコーライティングです。エンジニアもコーライティングソングライターになることで活路が見出せます。自分のスキルでデモに使われる音色やミックスのクオリティを上げていき、デモが採用されると作曲家として印税が入るだけではなか、ミックスエンジニアの営業にもなる訳です。参加しない理由はないでしょう?
 作詞家はコンセプターで、エンジニアは音色のクオリティアップとミックスで、アーティストは仮歌シンガーとして、それぞれの強みを活かしながら一曲ごとのプロジェクトを組んでいくというのがこれからの音楽制作になっていきます。欧米のように、ソングライターの実績と人脈からアーティストとしてデビューする事例が日本でも増えてくることでしょう。

コンペも「提案型」が主流になる

 今はまだ、A&Rが作家事務所経由でコンペシートを配って数多くの楽曲を集めるコンペが主流ですが、ここにも変化の芽があります。無駄に膨大な曲数を聴く「コンペ疲れ」を感じるのは当然です。クリエイターサイドが、こういう楽曲がこのアーティストの次のビジョンでは無いか?と提案していく形が増えいくでしょう。アーティストとクリエイターのコーライティングでの作品創りも増えてきています。
 レベルの高いクリエイターが1曲毎のコーライティングマジックを目指して作品を創る。それが生まれるクリエイターのネットワークがある、そのネットワークには日本人だけではなく外国人作曲家も入ってくる。彼らを通じて日本人クリエイターも海外市場にアクセスしていく、そんな時代が訪れています。僕が言うこと、やることは「山口早すぎ」と業界ではよく言われてますが(T_T)、同時に僕が確信したことで起きなかったことが無いのも事実です。 僕が予感した「クリエイターファースト」の世界は。コーライティングをテコに日本でも実現していくんだなと今、ヒシヒシと感じています。


 この変化は、社会環境的な必然性がありますので、必ず来ます、音楽家はこのイメージを持って、自分のキャリアプランを立てることをオススメします。僕は、山口ゼミ〜Co-Writing Farmで一つのモデルを提示しました。やり方はいろいろあり得ると思いますが、セルフマネージメントできる自立したクリエイターがネットワークを作って責任を持って創作、デジタルサービスや海外市場も視野において作品を作っていくそういう時代が来ました。

 それができないクリエイターは少しずつですが、確実に淘汰されていきます。(悩みがある人は相談にのるので、連絡ください!)

デジタル化の進展が音楽制作現場に与えた地殻変動

 異業種の方もわかる表現に替えると、業界という「村社会」、インナーサークルで完結していた音楽原盤制作の世界も、他の分野と同じように、デジタル技術によるパーソナライズ化、インターネットによる情報の民主化、緊密化するグローバル市場という大きなトレンドに覆われ、大きな変化が起きつつあるという、そんな当たり前の話です。そうなるとクリエイティビティ、コンテンツ力の勝負になるはずなので、国際基準に乗っかりさえすればレベルの高い日本人クリエイターには大いにチャンスがあるのです。
 野球に喩えるなら(わかりやすいかどうかわかりませんがww)まだ野茂の渡米以前です。ヒロイズムがLAで日本人作曲家の道を切り拓いてくれています。彼は野茂を超えて、イチローになってくれるかもしれません、そうすると松井秀喜も海外に目を向けるし、ダルビッシュも大谷も必ず出てきます。J-popは野球くらいの国際競争力があるなというのは肌感でいつも感じてきたことです。
 みなさん、これから日本の音楽家、特にソングライター・サウンドプロデューサーにご期待下さい!国際感覚のあるクリエイターが増えると日本人アーティストの作品にも貢献できます。これかラ日本の音楽家は海外で稼ぐ時代です。そして有望です。僕はこの動きが活発になるように引き続き頑張ります。
 こんな問題意識で情報発信は続けています。気になる人は、メルマガやpodcast、twitterをチェックして下さい。コロナ禍で在宅ワークになったので、オンラインイベントとかもやっていこうと思うので、peatixのフォローもどうぞ。

2020年4月8日水曜日

JASRAC改革も促すデジタルとグローバルに強い著作権信託会社NexTone。マザーズ上場後の期待。


●ネクストーン阿南CEO「年3~4割売上高伸ばす」

 ネット上では、JASRACの悪口を言うのが大好きな人がたくさんいますよね。僕もJASRACの古い体質に言いたいことはたくさんあるのですが、批判する人たちのほとんどが、誤解もしくは無知からくる感情論で、それを否定していると、なんかJASRAC擁護派みたいになってしまって不本意な気分になります。70年の歴史を持ち、毎年1100億円以上の音楽著作権を徴収分配しているJASRACが日本の音楽業界に大きな貢献をしていることは間違いありません。ただ、歴史の古さ故に問題もたくさん抱えているのです。著作権の話でシンプルな基準があります。何か一家言ある風の人に「NexToneを知ってますか?」と訊いてみるのです。知らなければただの言いたがりなので、その人の著作権ビジネスに関する発言は相手にしなくて良いと思います。是非、みなさん試してみてください。
 2001年施行の著作権等管理事業法で、著作権の徴収分配がJASRAC以外に開放されました。雨後の筍のように第二JASRACができましたが、どこも立ち行かずに消えていきました。その中で残った、JRCとイーライセンスが合併してできたのがNexToneです。株式公開をして社会的な存在感もました育でしょう。コロナ禍もあって資本市場的には困難な中での船出になりましたが、日本の音楽業界が世界市場で活躍するために担う役割が大きい他に替わりのきかない存在です。日本の著作権に関して、もう一つわかりやすい基準があります。現在4%程度のNexToneのシェアが上がれば、音楽業界は良くなります。何故なら、デジタルサービスと、グローバル市場に視野をもった会社だからです。嘘だと思う人は、NexToneについて調べてみてください。僕は株持ってませんし、いわゆる利害関係者ではありませんが、非常に信頼しています。僕にサービスをはじめたばかりのSpotifyの存在を教えてくれたのは現COOの荒川さんです。音楽サービスの未来を感じて興奮して話し合ったのは10年以上前のことです。新しい潮流をチェックし、直接コミュニケーションをとっています。JASRACに一番足らないのは、徴収分配制度の透明性に対する感度ですが、NexToneは前身のJRCのときから「完璧な分配データが入手できなければ、そもそも徴収しない」というスタンスを保ってきています。法的な根拠を背景に「取れるところからで取って、できるかぎり公正に分配する」ことを正義としているJASRACとの最大の違いと言えるでしょう。
 JASRACを不正だと怒る、ファンキー末吉さんや沖野修也さんの批判も根っこはここにあります。友人でもあるので心情的には理解できますし、自分の曲を自分の店で流していて、著作権使用料だけ徴収されて、その楽曲の分配が無いとことに怒りと不信を持つのは当然です。これは大雑把に言うと、JASRACの分配データがアナログだから起きることなのです。おそらく、全体の分配の中で、その曲の分配比率が小さくて、分配データから漏れてしまっているのでしょう。JASRACはそういう事態の対応のために予備の分配枠は取っているでしょうから、きちんと手続きすればそこで対応され支払われるはずです。いずれにしても、何か不正が行われているということでは無いのです。JASRACは創業70年積み上げた信用で徴収分配を行っています、ただ、その信用にカビが生えてしまっていることに鈍感なのが罪なのです。100%透明な分配データを持たないと信頼されないという認識は無いのでしょう。最近、裁判でJASRACが勝った音楽教室での著作権利用についても同じことを感じます。
   3年前に書いたBlogを紹介します。 
●誰がJASRACをカスと呼ばせるのか?

 JASRACについては、あまりにも間違った言説が多いので、近いうちに、一度整理してnoteに書こうと思いますが、最大の問題点は「デジタル時代に透明性に対するシビアさに欠ける」ことです。僕はその原因は、選挙で選ばれる理事の1/3が作詞家、1/3が作曲家である(合わせて2/3、有識者の委嘱理事を含めても過半)というガバナンスが原因だと思っています。高齢で実績のある作詞作曲家の先生は人格的には素晴らしい方々なのでしょうが、デジタルサービスに対する知見をお持ちの方はほとんどいらっしゃいません。役人が大臣を向いて仕事をするように、事務局は理事会を意識しながら業務を行います。JASRACを一般ユーザーや他業種から信頼される存在にするためには、このガバナンスを変えるべきだし、そのためには監督官庁の文化庁の認識が重要なのですが、「カスラック」と言って批判している人たちにそういう指摘を聞いたことがありません。
 これからの日本にとって、音楽著作権の活用は重要です。NexToneをもり立てていきながら、JASRACにデジタル時代に適応した改革を促していく、そんな議論をしていけるとよいなとNexToneの上場に際して、改めて思いました。
 音楽サービスがグローバルになったことで、著作権ビジネスもグローバルな視点が必要です。今週末のMusicTechRadarでは山崎卓也弁護士から最新の状況を伺います。彼の帰国に合わせて組んだ日程が、結局ロンドンからのオンライン参加、どころかイベント自体もオンライン飲みになってしまいましたが、”濃密に”ZOOMで話しますので、興味のある方は是非ご参加ください。

●MusicTechRadar Vol.2 グローバル著作権ビジネスWARS

2019年4月16日火曜日

AWAの聴き放題ARTISTプラン270円が安すぎる件について

 久々の投稿ですが、今後はnoteに移行しようと思います。使い勝手や拡散性などがnoteの方が良いのかなと言うことで。今回は全文掲載しますが、この機会にnoteのブックマークをお願いします!
https://note.mu/yamabug



 AWAが新しいアーティスト単位で聴き放題になる「ARTISTプラン」を始めました。浜崎あゆみ、AAA、倖田來未といったエイベックスの主要なアーティストが参加していますし、非常に可能性のあるサービスだと思います。AWA自体もユーザー数では伸び悩んでいるようですが、良質のサービスです。プレイリストが作りやすく、アプリもサクサク動きます。おそらくはサイバーエージェントの開発ノウハウが注ぎ込まれてるのでしょう。プロダクトとしてのクオリティは高いと、リリース当初から注目していました。
 そう思いながら詳しく見てみたら、月額270円という安すぎる料金に驚き、落胆しました。何故、アーティストの価値の毀損に繋がりかねない安い値付けをするのでしょうか?

 ●AWAが“1アーティスト聴き放題”の新プランを公開 浜崎あゆみ、AAA、倖田來未などでライブ優先予約や限定メッセージ配信なども

 そもそも、日本でのストリーミングサービスの月額金額は安すぎます。Spotifyがサービスを開始する時に、世界一のシェアを持つレーベル、ユニバーサルミュージックと話し合って定めた基準は、iTunes StoreのeAlbum1枚分の金額を月額料金にするというルールだったと言われています。
 各国でこの基準で欧米では、9.9ドル/ポンドが月額料金になっています。この基準で言うと、日本では1500円前後の値頃が目安になります。実際、Spotifyは月額1480円にするつもりでサービスを準備していました。ところがレコード会社側が、高すぎるとの意見で、980円になっています。

 もちろん、日本はCDが高すぎるという見方はできると思います。アルバムが3000円に対して、アメリカでは9〜12ドルですから、2.5倍以上の金額になっています。せっかくの、そういう市場の価格をレコード会社側が自ら壊す理由はどこにあるのでしょうか?
 そもそもサブスクリプションビジネスにおいて、pricing(値付け)は最も難しく、かつ重要なマーケティングの要素です。権利者側に発言力があり、配信事業者が一方的に値付けできない音楽ビジネスのメリットを活かしてないことが残念でなりません。

 間違った判断をしてしまう理由について、僕は2つのことが透けて見えます。

 1,i-mode公式サービスの成功の呪縛
 スマホの前のガラケー時代は、NTTやKDDIなどの通信会社がその内容を担保してユーザーに提供する、公式サービスが全盛でした。ジョブスは、i-modeとソニーのウォークマンから今のアップルの音楽サービスを考案したと言われるほど、よくできた仕組みでした。類似サービスの乱発は認めず、ユーザーはTOP画面からディレクトリー型でサービスを選びます。着うたという音楽配信サービスが大きな市場となり、レコード会社が主導した「レコチョク」というサービスがシェアの7割以上を占めて高い収益率を誇りました。YouTubeのMusicVIdeoと着うたの組み合わせで、新しいタイプのヒット曲も生まれました。
 この時が月額料金は300円〜500円だったのは、キャリア会社の基準でした、i-modeはファンクラブなど他のサービスも行い、低い手数料(10%以下)で、債権回収までキャリアが受け持ってくれる権利者にとっては夢のような生態系でした。(老獪なジョブズは低い料率だけは真似せずに、アップル手数料は30%でコンテンツ事業者を苦しめているのはご存知の通りです)
 この経験が、「日本のユーザーの月額課金は300円程度が適切」という根拠のない確信を呼んでしまっている気がします。imodeはあくまでNTTの通信網の中に閉じられた仕組みです。インターネットに開かれたスマホサービスと料金の基準が同じではありません。適切な料金設定について、音楽業界側がもっと敏感かつ巧妙であるべきでしょう。

 2. レコード会社が音楽ファンを信じていない

 「音楽は無料ではない」と、違法ダウンロード撲滅を訴え、法律における罰則化まで音楽業界は求めて、実現しました。僕はこの法律自体は賛成です。議員の方にお会いする機会があれば、音楽業界人の一人として立法実現のお礼を言うようにしています。ただ、罰則を強化しても売上は増えません。業界のエネルギーの方向としては、立法化が一番の方法とは当時から思っていませんでした。
 僕が問題だと思うのは、デジタル化が進んでいる中で、レコード会社が音楽ファンを信じていないというメッセージがでてしまっていることです。思い出したくない「コピーコントロールCD」導入もありました。業界をあげてレコードから転換したCompactDiscの規格をはみ出してノイズデータをいれてコピーをガードしようという、しかも全然ガードは不完全、という悪夢のような出来事でした。
 音楽が人生の一部に、生活の中で無くてはないものになっている人を音楽業界は大切にしなければいけません。CDバブル(今となってはバブルと言うべきでしょう)の時代に、TVCMやドラマの主題歌で聴いた曲を、音楽ライトユーザーが購入して何百万枚とCDが売れました。その成功体験がレコード会社の呪縛になっているような気がします。まさにエイベックスはミリオンセールスの象徴でしたからやむを得ないとも思います。

 しかし、今こそ音楽業界は、i-mode公式とCDバブル、2つの成功体験の呪縛から解き放たれるべきです。

 アーティストがベースに居る音楽ビジネスでは、ユーザーとのエンゲージメントが最も重要です。このエンゲージメントの濃さを活かすして、企業とのコラボなどをSNSで展開していくのがこれからの音楽ビジネスの柱の1つです。音楽ファンを信じず、音楽の値付けを下げていくレコード会社は、アーティストにとってどんな存在意義があるのでしょうか?
 
 音楽業界の発展は音楽ファンと共にしかありえない、ということを改めて考えていただきたいです。そして若い起業家たちは、ここにビジネスチャンスがあると思ってほしいです。
オトナたちがつくった仕組みは、時代とずれてしまい、新しいサービスが待望されています。 昨年11月に設立したエンターテックをテーマにしたスタートアップスタジオVERSUSは、エンタメ分野で起業を志す人達と一緒に新しいサービスを作っていく場です。興味のある人は、ご連絡ください

VERSUS公式サイト

2019年1月1日火曜日

独断的音楽ビジネス予測2019:やっと動き始めた日本デジタル音楽シーン。アジア市場で数値目標を!

 新年あけましておめでとうございます。

 去年は投稿数5と過去最低だった本ブログ、メルマガ[週刊・無料:音楽プロデューサー山口哲一のエンターテックニュースキュレーション]は毎週頑張っているから、許してね(^^)と言いつつ(まだの人は読書登録をお願いします!)、2012年から始めた元旦ブログは今年も書こうと思う。


 から1年たった。2012年から毎年予測と検証をしているけれど、今年はその必要もないくらい「ずっと前から言ったとおりでしょ?」となっているはずだ。興味がある人は見てみて欲しい。
「デジタルコンテンツ白書2018」から
 ただ、実は、去年の春辺りから音楽業界の内部の「空気」はずいぶん変わったと感じた。一言で言うと、デジタルに対するネガティブなムードが無くなった。「変わっているんだよね」「もうそうなるよね」という風に誰もが思うようになった。「空気」っていう言い方もファジーで申し訳ないけれど、「ムラ」的な社会である「業界」では、集合意識的なものがあって、それによって、促進されたり、ブレーキが掛かったりする。日本的な特徴なのだろうけれど、去年までは、僕ら(敢えて言うなら「改革派」の人たち)が海外事例やロジックを尽くして、どんなに説明しても。「とは言っても日本はむにゃむにゃむにゃ」「いろいろなことが絡んで難しいよね。だってさ、、、、。」みたいな非論理的な抵抗を感じることが多かった。1年前のブログのサブタイトルに「メゲずに吠えるぜ」ってなっているのは、自分を鼓舞してたんだと思う。それが変わった。こういうのが空気なんだと思う。

 空気が変わるのにも理由はある。一つは日本のデジタル市場が一定の規模になってきたこと。2017年の数字は約940億円。そして2018年1月〜3月の下半期ではストリーミングがDL市場を抜いたとの情報もでた。パッケージは頑張って、CD と音楽 DVD を合わせで2,964億円 前年比94%だけど、長期低落は免れないから、デジタルを重視しなきゃねということになったようだ。詳細は知らないけれど、2011年設立のTuneCoreJapan社長の野田君が「音楽関係者の僕らへの態度が明らかに変わって、逆に提案をいただけるようになりました」と言っていた。音楽配信サービスへのアグリゲーション機能をきぞんのかい者を使わずに、誰でもできるようにソリューションとして提供するTuneCoreは既存の音楽ビジネスの仕組みは、大まかに言えば"破壊者側"の仕組みだ。そこに対してポジティブになったというのは大きな変化だ。海外配信サービスに対しての利便性と情報源として有益なことがわかったのだろう。
世界のレコード産業売上推移(IFPIデータ)
 グローバルメジャーレーベル経由で海外市場の情報が届いてることも大きいと思う。欧米ではストリーミングサービスが牽引して音楽市場全体が上昇するというトレンドが完全に定着したし、まだしばらくは続くと見られている。ドラスティックに変化するアメリカ市場は3/4がストリーミングだし、日本に近いと言われて、パッケージ比率が高かったドイツでもデジタル市場が過半となった。ユニバーサルやワーナーというグローバルメジャーは、正確な情報とマーケティングプランを持っている。日本法人には、早くストリーミング市場を拡大しろとプレッシャーを掛けているはずだ。(彼らも数年前までは「日本をCD売れてて素晴らしいね」って言ってたらしいけどねwww)

2018年上四半期米市場(RIAA)
 ユニバーサルミュージックジャパンの藤倉社長が契約社員330人を正社員にしたというニュースには驚かされたけれど、おそらく彼は本社からの情報で、日本市場で自社のシェアを伸ばして、収益増を図る戦略に自信が持てたのだと思う。スマートスピーカーの普及など新しい市場もできていている。(勝手な推測だけれどおそらくは5年くらいの長期契約を結んで、正社員にしたスタッフを鼓舞して、腰を据えて収益増に取り組まれるのだと思う。注目だ。)

 なので、2020年が過ぎるまでは、変革ができないかなと思っていたデジタル音楽市場には、少なくとも「空気」は変わったので、やりやすくなっている。各事務所やITサービスは、レーベルの変化を活かして欲しい。もう邪魔されることはないと思う。TikTokなんて、普通なら権利侵害の権化になりそうなサービスだけれど、ユニバーサル、ワーナー、エイベックスはいち早く原盤も含めて包括許諾しているようだ。これまで原盤権クリアで二の足を踏んでいたITサービスはTikTokという前例をうまく活用しよう。(「中国の動画共有サービスに許諾出してるんだから、日本のスタートアップにももちろんお願いしますよ」みたいなロジックでね(^_-))
 
 さて数年前から指摘している3つの課題
 ●マーケティングに活用できるオープン型の楽曲及びアーティストデータベースの構築
 ●グローバルプラットフォーマーとの向き合い
 ●中国市場への本格的な取り組み 
  については、正直、進捗は遅い。意識を変えることが難しいようだ。

 そこで一つ年頭に提言したい。一気に状況を変えていくために、経産省と業界団体が旗を振って、数値目標決めるのはどうだろう?

 例えば、2025年にアジアの音楽市場で日本の楽曲のシェアを20%にする。

 2025年だとアジアの音楽(レコード産業)市場は1兆円超が期待できる。北米以上の規模になるだろう。ここで2割を取れれば、単純計算で2000億円。日本のレコード市場が倍近くなるイメージだ。しかも今後も上昇が期待できるマーケットでこの数字は大きい。アジアの音楽市場は、ニアイコールでオンデマンド型ストリーミング市場で、売上以外にもライブや越境ECによるMD(アーティストグッズ)など様々な広がりが期待できる。ファンクラブというビジネスモデルは日本特有のようだけれど、アーティストファンのエンゲージメントを軸にやれるマネタイズ方法はこれから増えていくだろう。
 どの国もその国の言語でその国のアーティストが行ういわゆるドメスティック(内国)音楽が市場の5割〜6割を占め、残り4〜5割を洋楽とK-POPとその他アジアの国の音楽が争うことが予測される。その中でアジア市場であれば、J-POP(+アニソン)が一位になっても全くおかしくない。現状は残念ながら2〜3%位だろう。完全に韓国の後塵を拝している。K-POPは若い世代に届くカッコイイポップスを高いクオリティでになった。サムソンや現代といった企業とも連携、政府も後押しする「オール韓国体制」でマーケティング施策も素晴らしい。ただ、多様性という意味ではまだ日本にかなりのアドバンテージが残っている。アジア人に共通する「郷愁感」みたいなのは日本人音楽家が得意とするところだし、幅広い音楽的な情報とレベルの高い消費者を長年持っている日本のポップスの奥行きは世界レベルで見ても洗練されて、深みがある。アニメという日本発のキラーコンテンツとも連携できる。これまでもアジアの各国で日本の曲がカバーされて広まっている事例はいくつもある。「昴」「恋人」などスタンダード化した楽曲も多い。ただ、これまでは偶然でラッキーなことが多かったように思う。現地のアーティストへのカバー施策を戦略的に仕掛けていくのも有効だろう。ストリーミング再生のデータを元に声を掛けることができるので効率的な時代だ。
 これらを上手に活かして戦えば、アジア市場で20%というのは十分可能な数字のはずだ。観光立国になっていく日本の産業振興の視点でも重要だ。インバウンド活性化にエンターテイメントが果たすべき役割を役割は大きい。リピーター増、滞在期間増には、エンタメが貢献できるはずだ。
 関係各位に検討をお願いしたい。

 さて、「テクノロジーとエンターテインメントの幸せな結びつきは新たなカルチャーを創る」というのは鈴木貴歩さんからの受け売りだけれど、AI、VR/AR、IoT、BlockChainと行ったテクノロジーの急速な進展ですべての産業や生活が再定義されるxtech(クロステック)の時代にエンターテイメント分野が果たすべき役割は大きいと思う。時代の気分を醸造し、技術の普及を牽引する役回りだ。そこにスタートアップへの期待が出てくる。

 最後に僕自身の話をしたい。4年間続けていたエンタメ系のスタートアップを支援するプロジェクト、START ME UP AWARDSは去年は行わなかった。理由は実行委員長の僕が単発のピッチイベントに限界を感じたからだ。始めた頃は、エンタメ✕起業というテーマを掲げているものなど何もなかったから存在だけで意義があったけれど、エンタメ関連のピッチコンテストやアクセラレータープログラムが増えてきた中で、もっと踏み込んでスタートアップ育成に関わりたいと思った。
 そんな時にちょうど1年くらい前に世界で「スタートアップスタジオ」という仕組みが世界的に広がっていることを知った。スタジオという由来はハリウッドで、ハリウッドのスタジオがたくさんの映画を作るように、スタートアップを同時多発的に育てていくというコンセプトに惹かれた。コミュニティ形成という僕が近年取り組んでいる方法論と親和性も感じた。
 去年1年掛けて動く中で、エンターテインメント✕スタートアップにフォーカスして、0〜1のところをハンズオンで育成するスタートアップスタジオをやらせてもらえることになった。会社名は株式会社VERSUS(Visionary, Evangelistic, Revolutionary Start-Up Studio)で11月に設立済みだ。エンターテインメントは広く捉えて、食も美容もファッションも対象にする。詳細は1月中には発表するのでそれを楽しみに待って欲しい。エンタメ関連で起業を考えている人は、発表を待たずに連絡ください。

 レコード産業を始めとして、既存の仕組みが有効性を失っているエンタメ分野の業界は多い。仕組み自体を作り直すのは既存のプレイヤーだけででは難しい。スタートアップに好き勝手に頑張ってもらって、既存の仕組みのパーツで有効なものはモジュール的にハメていく。そのバランスを取るのが僕の役目だと思っている。
 
 その時に、忘れてはいけないのは、日本はすでにアジアでのIT後進国になっているという現実だ。一例を言えば「銀行ATMが充実して偽札の心配がないから日本は電子マネーの普及が遅れる」いわゆる「イノベーションのジレンマ」だ。日本はこれまで便利だったことの代償に次のステップへの変化が遅れてしまっている。アメリカだけでなく、中国も先を走っている。おそらく次のイノベーションについてはもう追いつかないだろう。ただ、イノベーションのジレンマはサイクルでやってくる。中国でスマホ決済が広っているので、ユーザー利便性が理想的ではないとQRコードに留まるかもしれない。諦めて何もしないという訳ではないけれど、次の勝負での負けはもう決まっているので、次の次のイノベーションを日本発で起こしていく、概念的にはそんなことだろうと思っている。今からSpotifyには追いつけない(もちろんスタートアップ的にはSpotify生態系を活かしたヤドカリ的な周辺ビジネスにもチャンスはあると思うけれど)から音楽消費のプラットフォームを作るなら、その次の音楽体験は何なのかを考えることだろう。
 デジタルが主役になって時代の変化は驚くほど早い。1年後にどんな独断的予測を書くことになるか楽しみにしながら、2019年を頑張ろうと思う。

 今年もよろしくおねがいしますっ!

●独断的音楽ビジネス予測〜2012年は目覚ましい変化なし。大変革への準備の年〜
●独断的音楽ビジネス予測2013 〜音楽とITの不幸な歴史が終わり、構造変化が始まる年に〜
●独断的音楽ビジネス予測2014〜今年こそ、音楽とITの蜜月が始まる〜
●独断的音楽ビジネス予測2015〜シフトチェンジへ待ったなし〜
●独断的音楽ビジネス予測2016〜周回遅れをショートカットして世界のトップに〜 
●独断的音楽ビジネス予測2017〜もう流れは決まった。大変革の2021年に備えよう〜 
●独断的音楽ビジネス予測2018〜犬は吠えてもデジタルは進む、メゲずに吠えるぜ!

2018年8月22日水曜日

3大メジャーレーベルとMerlinとTuneCoreと〜グローバル視点で音楽ビジネスを俯瞰すると〜

 久しぶりの更新になってしまった。このブログはエンターテック領域を中心に自分が私的に関心をもったトピックを、個人的に書くことにしているので、気楽に書けるはずなのだけれど、責任や締切が無いとなかなか手が付かないものだなと思う。
 今日書くことは、半年くらい前から思っていることなので、このタイミングで一旦まとめておきたい。 

 これからのアーティスト、マネージメント、レーベルマネージャーの活動領域、パートナーの組み方に関するビジョンの持ち方にかんする一般論だ。

 まず、前提として確認したいことは、音楽ビジネスはグローバル化が進んでいくこと。もちろん言語や文化やメディア(放送局は各国の政府が仕切るからドメスティックになる)などの壁がなくなっているわけではないけれど、以前に比べれば障壁は低く、薄くなっている。SpotifyやYoutubeで世界中の人に自分の音楽をアピールすることができるようになっているのは誰もが実感していることだと思う。一方で人口が減り始めた日本で市場拡大は難しい。世界市場に活路を見出そうとするのは音楽に限らず、当然の発想だ。

 そんな時代にこれから音楽ビジネスをする際は、俯瞰してみると以下のような構造なのだと知ってほしい。
 グローバル市場で一番超えやすいのは音(と映像だ)。まず音源(原盤ビジネス)について考えたい。
 原盤ビジネスについては、以下の3つのレイヤーがあるころを知り、それをアーティストの状況によって時期ごとに乗り換えていくようなイメージを持つのが良いと思う。

1)3大メジャーのレイヤー

 グローバル視点で見た時の、メジャーレーベルは3社だ。ユニバーサル。ワーナー、ソニーミュージックの三社。以前は、BMGとEMIがあったけれど、合併して3社になった。いうまでもなく彼らは巨大な資本と資金と情報を持っている。契約する機会があれば、活動範囲は広がり、ファンベースを大きく拡大するチャンスになるだろう。ただ、彼らは可能性に投資して、育成したりはしないから、一定のレベルまでは下記の2および3のレイヤーで成果を出す必要がある。

2)ドメスティックレーベルからマーリン活用

日本ではまだ「メジャーデビュー」という言葉が使われている(僕もいまだに使うことがありますwwwすいません)が、エイベックスやビクターやトイズファクトリーからのリリースは、グローバル基準でいうとメジャーデビューではなく、これらの会社はインディーズレーベルだ。ドメスティックメジャーという言い方が適切かもしれないけど、グローバルメジャーとは全く違う。アーティストを売り出す時に、価値観が共有できるA&Rスタッフと一緒に組み立てることの重要性は昔も今も変わらない。レコード会社との契約には意味があるだろう。
 ただ、海外への視点を忘れてはいけない。日本のドメスティックメジャーは海外市場に進出する意欲もノウハウも持っていない。その時に知っておきたいのがマーリンの存在だ。
 マーリンはヨーロッパを中心に世界中のインディーズレーベルの配信事業者との交渉を代行する組織で、既に大きな成果を上げている。GoogleやApple、Spotifyといった配信事業者は、3大メジャーの寡占が進むと、レーベル側の発言力が強くなるので、そこへの対抗策の意味もあって、インディーズレーベルに対して融和的な方針を持つことが多い。マーリーンはそこも上手く利用して、卓越した交渉力で、メジャー以上の好条件を引き出すケースもあるようだ。手数料も驚くほど安い(3%程度)。日本のドメスティックメジャーも、徐々にマーリンを活用する流れが出てきている。数年以内に、ほとんどの会社が契約関係を持つだろう。マーリーンは交渉代行を行うだけだけれど、デジタルマーケティングの会社と属人的に近かったり、情報共有をするなどの活動も行っているので、アーティストやマネージメントに有益だろう。
 個人会社の規模でも頑張ればマーリーンと契約することはできるかもしれない。でも日本のドメスティックレーベルと契約して、海外は直接とやるのはあまりおすすめできない。マーリーンと契約させて、海外収益もシェアするやり方の方がフェアで、ストレスが無いだろう。おそらくは少ないリソースで戦っているみんなには、リソースの集中は大切だ。

3)TuneCore活用でDIY的に配信する

 自分でやりたいなら、TuneCoreJapanを使えばいい。日本でもかなり認知度が上がってきた、ソリューション提供型のアグリゲーション会社だ。要するにアーティストやマネージャーが自分でアップロードすると、世界中のほとんど全部の配信会社で配信することができるということ。使用料は1年間1曲約1000円、売上は全額バックというのが売りだ。自分たちがやった分が、全部もどってくる。ほぼリアルタイムに売上情報もわかるので、この国のこのサービスで再生回数が上がったから、そこを補強しつつライブに行くことを考えるみたいなことが機敏にできる。フットワーク軽く自分たちでコントロールしてやりたいならベストの方法だけれど、その分、広がりに欠けるキライはある。他人の力を使わないことの是非はあるだろう。

これからのアーティスト、マネージメント、自分でレーベルやりたい人などは、この3レイヤーを使い分けるというイメージが大切だ。1つのレイヤーに固執する必要はない。もちろん、原盤契約を同時に複数の会社と結ぶことはできない。しかし、期間や作品単位で切り替えることは可能だ。現実的には。数年単位でこのレイヤー使い分けていくイメージを持つと発想が広がるだろう。

 「やっぱユニバーサルとやるとノウハウとか資金力あるから活動範囲は広がりますね。でも利益率考えて、来年のアルバムではTuneCore使ってやってみようと思ってます。」みたいな話ができるマネージャーが増えて欲しい。

 この発想は、コンサートツアーについても同様なことが言える。コンサートプロモーターの場合は、地域で契約を分けることができる。日本は自分たちでプランニングして日本のプロモーターと一緒にやり、海外は現地のプロモーターと契約するのがよいだろう。
 日本アーティストを呼んでくれるフェスティバルは世界中にたくさんあるのでSpotifyやYouTubeでの再生状況を見て、反応の良い国にコンタクトして、フェス型イベントに出ることから始めるのが現実的だ。
 アジアについては、MCIPやZEPPがライブハウスネットワークを作り始めている。PAや控室などで、日本型のステージクオリティが担保されるので安心だ。
 音源におけるユニバーサルやワーナーに当たるのは、LIVE NATIONやAIGなどの超大規模プロモーターだろう。彼らはアジアでもネットワークを作って、グローバルにコンサート市場での勝者になろうとしている。相当の知名度、動員力になるのが前提になるけれど、ワールドツアーをする日本人アーティストが増えてほしい。

 そんな思いで地道な活動を続けていたSYNC MUSIC JAPANががCip協議会の中でステップアップしたようで嬉しい。海外活動に関する情報、ノウハウが集約されているところなので、みんな活用して欲しい。

 アーテイストの音楽活動をプランニングする時に、必要なのは目標であり、ビジョンだ。これまでは「Mステに出て、オリコン1位になって、紅白に出たいです。サマソニやフジロックも常連になりたいです」だったと思うし、それがダメなわけじゃないけれど、「SpotifyのBUZZチャートでグローバル1位になって、クランストンベリーに出演して、マジソン・スクエア・ガーデンでメインアクトになる」という目標で活動を始めるアーティストが日本にももっともっと増えて欲しい。

  2年前に僕が書いた入魂の一作『新時代ミュージックビジネス最終講義』は、”残念ながら"いまだ有効だ。日本の音楽ビジネス、音楽界の歩みが遅いのが古くならない理由なので、素直に喜べないことだけれど、このブログを読んで興味を持ったら、まだの人は読んでみてください。
 そんな問題意識で2014年から続けてきたニューミドルマンラボは、今年からコミュニティにすると宣言して、活性化してきていると思う。今週から始まる養成講座夏期は、まさにアジア市場をテーマに、今のリアルを知っているゲスト講師をお願いした。僕自身が勉強になるはずで楽しみだ。毎月MeetUpイベントもやっているので、興味のある人は覗きにきて欲しいな。
  

 2018年8月現在の記録して、グローバル音楽市場の3レイヤーについてまとめていました。異論反論、質問など歓迎です! 

<関連情報>


2018年5月31日木曜日

「コライトやろうぜ!」と呼びかける理由〜クリエイターが主役の時代に〜タワークリエイティブアカデミーへの期待

 「音楽業界の感覚を持ち込んだ超実践的なプロ作曲家育成」というテーマで山口ゼミを始めたのは、2013年1月だからもう5年半になる。今は第21期生で受講生はのべで378人だ。女性比率は3割強、年齢も職業も住んでいるところも本当に多種多様な人たちが集まり、それが強いコミュニティになっているのに驚いている。受講生が仲良くなるのは、副塾長伊藤涼の厳しい指導に耐える「仲間意識」とともに、コーライティングを提唱し、上級コース「山口ゼミexntended」でコーライティングで良い作品を創るためのマインドセットと方法を伝えているのも理由なのだろう。

 山口ゼミを始めて僕が一番感じだのは、「音楽を作ることが孤独な作業になってしまっ
ている」ことだ。デジタル化が進んで、機材が安く小さくなり、パーソナルな表現ができるようになったのは、基本的には良いことだけれど、弊害もあるのだと知った。
 コーライティングの大きなメリットの一つが、創作現場でコミュニケーションが復活することだ。創作は孤独に耐えて行うという考え方もあるけれど、同時に「楽しくつくる」というのも音楽の基本だ。複数の人が集まって、そのチームならではの「化学反応」を期待しながら創作していくというのは、とても本質的な音楽の創り方だと思う。

 コーライティングのスキルを武器とする山口ゼミ卒業生によるクリエイター集団CoWritingFarmは110人を超え、作品力も非常に向上している。ノウハウが集合知的に高まっていくのがコミュニティパワーなのだろう。コミュニティが自走し始めている実感がある。2年位前から、コンペを待つだけではなく、自分たちからアーティストに作品を持ち込む「提案型」の制作活動を始めている。安室奈美恵✕ワンピースOp曲「Hope」は、その提案型による成果だ。

 様々な分野のクリエイターが良い環境で創造するというテーマで4年目となった「クリエイターズキャンプ真鶴2018」では、ソニーミュージックが行っているSonic Academy Salonと全面的に連携して、コーライティングのワークショップと、アーティストと作家によるコーライティングキャンプを行った。新人ないしデビュー準備中の新人アーティストとプロ作曲家2名が組んで3人1組で約28時間で1曲を0からつくる。アーティストにはライブ形式での披露を依頼したので、プレッシャーは大きかったと思う。結果は素晴らしかった。8人のアーティストの新曲は、明確な個性と高いクオリティがあった。これから世の中に出ていくことだろう。
 アメリカではアーティストが参加するコーライティングが音楽制作の主流になっているというけれど、日本にも「アーティストインコーライト」の波は確実に来るなと確信した。

 一般的な視点で見ると、山口ゼミとソニアカはコンペティターに見えるかもしれないけれど、僕はそんな風に捉えたことはない。日本の音楽シーンを活性化して、クオリティを上げていくという目的は同じだと思うので、お互いの良さを生かして連携していきたい。ソニアカの言い出しっぺの灰野(一平)君とは、一緒にバンドもやったことがあるwww、古い知己で、音楽に真摯に向き合う素晴らしいミュージックマンだ。相互の会員の
CC真鶴2018の参加音楽家の記念撮影
割引などもやっている。今回のCC真鶴は初の共同企画だったけれど、成功だったと思う。

 日本の音楽業界は、洗練された仕組みや美風と言える慣習など素晴らしいところもたくさんあるのだけれど、デジタル化による時代の変化に遅れているという致命的な弱点がある。
 パッケージ(CD)とマスメディア(テレビ・ラジオ)での時代から、スマホでストリーミングで音楽を聴く時代に、そしてスマートスピーカーの普及と急速に変わっていることに既存の音楽業界は対応できていない。ユーザー体験としてのIT活用が、アジアの中でも際立って遅れた国になってしまっていることに強い危機感がある。ただ、本稿で語りたいのは、クリエイションにおけるデジタル化の話だ。

 テクノロジーの変化は表現にも大きな影響を与えるはず。PCとDAWで手軽にパーソナルに音楽をつくれる時代だからこそ、音楽家同士がコミュニケーションをとって共作することの重要性は増している。音楽家と映像制作会社のマッチングコマースAudioStockの売上急増で注目されているクレオフーガとは、オンラインでのコーライティングが円滑にいくツールとしてCoWritingStudioを共同開発している。今年中には、グローバルな作曲家SNSとしてバージョンアップする予定なので、期待してほしい。CWSで音楽家同士が出逢っていく場をつくれると思う。

 さて、前置きがめちゃめちゃ長くなったけれど、そんな問題意識と僕らがやってきたことの延長線上で、タワークリエイティブアカデミーへの期待がある。「未来型クリエイター育成」をテーマにタワーレコードが始めた新規事業だ。アドバイザーとして新規事業全体にも関わったけれど、「タワアカ」では講座のオーガナイザーをやらせてもらっている。
 タワーレコードは、CD店として日本で一番のブランドだ。元々はアメリカの会社で、会社が倒れてニューヨークの二店が無くなったときにはショックだったけれど、日本ではNTTドコモの子会社となって、音楽ファンのリアルな接点になっている。

 これまでのコーライティングは、プロの作曲家という目線でやってきたけれど、今回は、タワレコらしく、インディーズを中心としたアーティスト、シンガーソングライター、DJトラックメイカー、バンドマン、DTMerといった人たちを対象に、自分たちの表現の幅を広げ、作品力を高めるために、コーライティングの手法を活用するというテーマにしたいと思っている。同時に、定期的に継続していきながら音楽家同士が出逢っていく場としても育てていきたい。
 タワーレコードは、自社のインディーズレーベルや発信力のあるショップバイヤーのチカラで数多くのアーティストを世に送り出してきた。参加者にとってもコーライティングの優秀作を世に広める時に、タワレコがいることは心強いだろう。同時に始めるTouchDesingerの講座では映像やビジュアルの若いクリエイターが集まるだろうから、ジャンルを超えたクリエイターコラボもやっていきたいとタワレコの人たちと相談している。

 日本のNO.1レーベルであるソニーミュージック。NO,1リテールであるタワーレコード。トップ企業が変わるインパクトは大きい。日本の音楽家のクリエイティブがもっともっと活かされ、チャンスの場が増えていくように活動していきたいと思う。
 コーライティングが初めての人は、『最先端の作曲法・コーライティングの教科書』(リットーミュージック刊)が参考になるだろう。


 今回のアーティストを対象にしたタワアカのコーライティングワークショップに向けて伊藤涼が寄せてくれたコメントが素晴らしいので、ちょっと長いけれど、最後に引用する。コーライティングがだいぶ広まって、テレビなどでも紹介されることがでてきたけれど、何故、そういう時に伊藤涼を呼ばないのか不思議だ。日本のコーライティグブームのきっかけを作った男だし、実績も経験も図抜けている。コーライトしかしないソングライターであり、ディレクターでもある。このまま日本の「マックス・マーティン」になってほしいなと個人的には思っている。

 今の日本の音楽シーンにおけるコーライティングの意義は強調してもしすぎることは無い。立場、テーマ、目指すことは、それぞれ違うと思うけれど、自分の音楽活動を充実させるために、このムーブメントを活用して欲しい。もちろんプロのソングライター、編曲家を目指す人は「山口ゼミ」で待ってます。


<伊藤涼からのメッセージ>
 作曲家たちが共作するコーライティングはすでに日本でもブームとなっていますが、アメリカのビルボードのトップチャートを賑わすポップミュージックも当然のようにコーライティングによるものが多いです。皆さんもご存じのジャスティン・ビーバー、ケイティ・ペリー、アリアナ・グランデなどの楽曲のほとんどがコーライティングによるものです。そして、そのコーライティングの流れから生まれてきたスターが、ブルーノ・マーズ、メーガン・トレイラーのようにソングライターとして楽曲を提供しながら、自らもアーティストとして大成功を収めた人たち。彼らはコーライティングという環境を上手く使って、自分の作品をアーティストに提供しながら、自身のアーティスト・シンガーソングライターとしてのプロモーションにも成功したと言えます。そして、いまL.Aに行くと世界中からそのチャンスを掴もうとソングライター・トラックメイカー・DJ・プロデューサーが集まってきています。その中でも特に目立つがシンガーソングライターです。彼らはトップライナー、作詞家、デモシンガーとして、その才能をコーライティングに生かし、虎視眈々とアーティストとしての成功を狙っています。もちろん、そこで培った人脈を生かして、フーチャリングシンガーなどで大成功したシンガーたちも多い。もちろんDJやプロデューサーにとっても、才能あるシンガーと出会うことが成功の鍵なのです。今や、音楽は人とのつながりで生まれ、そして広がっていっています。
 では日本のシンガーたちはどうでしょうか?見渡してみても、まだまだ世界の波になっているとは言えません。なぜなら、どうにかひとりで成し遂げようとしているからではないでしょうか?自分で作って、自分でパフォーマンスして、レコード会社が見つけてくれるのを待っている。自分ですべての作業をすること、レコード会社からのデビューがきっかけになること、もちろん悪いことではありません。ただ、今求められるものは2年も3年も育成期間の要するアーティストではありません。既にクオリティが高い楽曲とそのデモ音源をもち、完成されたアーティスト像をもってライブをできていることです。アメリカのクリエイターたちが実践していることからわかるように、それらを作るために必要なのがコーライティングなのです。制作環境、ハイクオリティな音源、ケミストリー、出逢い、客観的な視点、コネクション。そしてコーライティングこそ、それぞれのクリエイティビティを成長させる最高の方法だと、今までの経験から言えます。

 自分の夢のために、ぜひコーライティングを活用する。その一歩を踏み出してください。お待ちしています!

◆タワークリエイティブアカデミー公式サイト

◆タワアカ・コーライティングワークショップ申込みページ 

◆プロ作曲家育成「山口ゼミ」

<関連記事>
◆クリエイターズキャンプ真鶴2018開催記念座談会「作曲家の今とこれから」
◆クリエイターズキャプ真鶴公式サイト
◆作曲家育成セミナー「山口ゼミ」を続けている理由

2018年2月7日水曜日

そろそろ2020年代の音楽の姿をCarve outしなくちゃね〜MUSIC HACK DAY TOKYO2018で感じたこと

 日本では3年ぶりとなったMUSIC HACK DAY TOKYO2018をオーガナイズした。音楽好きのエンジニア、デザイナー、そしてテクノロジーに敏感な音楽家などから定員を大きく超える応募があって、申し訳なかったけれど、抽選で絞らざるを得なかった。
MHDTokyo2018発表会の様子
 2月2日金曜日の前夜祭は、海外事情に精通した鈴木貴歩さんにエンターテックの最新状況をセミナーしてもらった後、DJ付きでの懇親会。
 3日朝からはレコチョクと朝日新聞メディアラボの2会場を使って、音楽のリデザインをテーマにして20組の作品がつくられた。4日の16時からの発表会は3時間を超えるものになった、その後はみんなで懇親会。
 今回のMHDTのテーマは「音楽・エンタメのリデザイン」。熱量が高い場で、僕自身が大きな刺激となった。

 メインパートナーのレコチョクは、レコチョクラボを作って、新規サービスのトライアルをされている。VRやクラウドファンディングなど信金サービスに意欲的な取り組み。僕は不勉強で知らなかったけれど50人ほどの社員プログラマーがいるそうだ。ハッカソンにも参加してくれていて面白いプロダクトを作っていた。
 レコチョクは、元はガラケー向けサービス「着うた」のために大手レコード会社が共同で作った会社で、現在の筆頭株主はNTTドコモ。日本の音楽業界デジタル分野の正統派本流だ。 
 着うた全盛の頃は日本の市場シェアの約
15%をレコチョクが持っていた。今はdヒッツの売上がメインになってしまっているようだけれど、今回MHDのメインパートナーになっていただいて、若いやる気にあるエンジニア社員がたくさんいることを肌で感じて、心強く思った。音楽業界にとって大きな財産だと思う。今度も連携していきたい。

チームビルドのためのアイデア出し風景
 テクニカルパートナーの各社も意欲的で嬉しかった。富士通はMuFoというサービスのソースコードを期間限定で公開してくれた。音楽分析系の面白い技術をたくさん持っている産総研(産業技術総合研究所)は、スタッフがハッキングタイムにしっかり張り付いてフォローしてくれた。NTTドコモのAPIも魅力的だった。音楽系だとSpotifyやGoogleなどのAPIがITの人には一般的だけれど、国産で協業の可能性があるドコモのAPI活用はとても有益だと思う。今後も使っていきたい。他にも協力してくださったパートナーの皆さんには深く感謝したい。

 SNSのインフラ化&影響力増、センサー開発技術の低廉化、人工知能のディープラーニングの進展など、テクノロジーが加速度的に進化していく時代の中で、エンターテインメントが目指すべき方向は明確だ。海外に対して周回遅れ、それも2周位遅れて、最近は中国IT企業にも送れを取っている日本の音楽業界は本格的な再構築が死活的に必要だ。
 再編が起きるX年は2021年と判断しているけれど、そろそろ具体的な像を造形しようと思う。エンターテック・エベンジェリストと名乗る僕としては、クエリエーション(創造)、マネタイズ(ビジネス)、コミュニケーション(プロモーション)の3つの面で、新たなあり方、仕組みをCarve Outする使命感を持って取り組んでいきたい。0から創ると言うよりは、彫刻家が石や材木の中に潜んでいる形を掘り起こす作業に近いような気がしていて、Carve outって言葉がしっくりくる。

参加者全員で記念撮影。笑顔が印象的だ
 今回、MHD Tokyo 2018をオーガナイズしたのは、できたてホヤホヤの会社EnterTech Lab Inc.だ。僕が言い出しっぺで、Co-Founderとして関わっている。残りの2人の創業メンバーの本業はプログラマー。僕が2014年に始めたミュージシャンズハッカソンに当時、福井在住なのに、参加してくれて以来の付き合いだ。  Mashup Awardsを率いてきた伴野智樹さんや、TECHS、ミュージシャンズハッカソンを一緒にやってきた浅田祐介さんと一緒に、今回セミナーで登壇した鈴木貴歩さん、審査員をお願いしたクリプトン伊藤さん、斉藤迅さん、ジェイコウガミさん、アソビシステム中川さんといった面々とも連携していきたい。
 EnterTech Labは、音楽に限らず、日本のエンターテインメントの未来を切り開く、クリエイターやプロデューサーや起業家のレバレッジをする役割を果たしていきたい。初仕事だったMHDTは素晴らしいネットワークとプロトタイプができて、上々のスタートだったと思う。

 人材育成という意味では、未来のエンタメに携わる「ニューミドルマン」を生み出すことにも注力したい。
 ニューミドルマンラボはオンライン+MeetUpのコミュニティーをベースによりネットワーク力を強めたいと思っている。 2014年10月のプレ講座から受講経験者は100人を超えている。時代の音楽ビジネスを志向するという共通認識は持てているはずだから、それぞれのフィールドで蓄えているであろう力を結集することができれば、日本の音楽ビジネスを良い方向に持っていけるかもしれない。
 1月からオンラコインコミュニティを始めている。3月まで無料でテスト運用しているので、是非、参加してみてください。外には出せない情報の共有や、メルマガでPick Upしたニュースを踏み込んだ解説や議論も展開していくつもりだ。



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