2018年2月7日水曜日

そろそろ2020年代の音楽の姿をCarve outしなくちゃね〜MUSIC HACK DAY TOKYO2018で感じたこと

 日本では3年ぶりとなったMUSIC HACK DAY TOKYO2018をオーガナイズした。音楽好きのエンジニア、デザイナー、そしてテクノロジーに敏感な音楽家などから定員を大きく超える応募があって、申し訳なかったけれど、抽選で絞らざるを得なかった。
MHDTokyo2018発表会の様子
 2月2日金曜日の前夜祭は、海外事情に精通した鈴木貴歩さんにエンターテックの最新状況をセミナーしてもらった後、DJ付きでの懇親会。
 3日朝からはレコチョクと朝日新聞メディアラボの2会場を使って、音楽のリデザインをテーマにして20組の作品がつくられた。4日の16時からの発表会は3時間を超えるものになった、その後はみんなで懇親会。
 今回のMHDTのテーマは「音楽・エンタメのリデザイン」。熱量が高い場で、僕自身が大きな刺激となった。

 メインパートナーのレコチョクは、レコチョクラボを作って、新規サービスのトライアルをされている。VRやクラウドファンディングなど信金サービスに意欲的な取り組み。僕は不勉強で知らなかったけれど50人ほどの社員プログラマーがいるそうだ。ハッカソンにも参加してくれていて面白いプロダクトを作っていた。
 レコチョクは、元はガラケー向けサービス「着うた」のために大手レコード会社が共同で作った会社で、現在の筆頭株主はNTTドコモ。日本の音楽業界デジタル分野の正統派本流だ。 
 着うた全盛の頃は日本の市場シェアの約
15%をレコチョクが持っていた。今はdヒッツの売上がメインになってしまっているようだけれど、今回MHDのメインパートナーになっていただいて、若いやる気にあるエンジニア社員がたくさんいることを肌で感じて、心強く思った。音楽業界にとって大きな財産だと思う。今度も連携していきたい。

チームビルドのためのアイデア出し風景
 テクニカルパートナーの各社も意欲的で嬉しかった。富士通はMuFoというサービスのソースコードを期間限定で公開してくれた。音楽分析系の面白い技術をたくさん持っている産総研(産業技術総合研究所)は、スタッフがハッキングタイムにしっかり張り付いてフォローしてくれた。NTTドコモAPIも魅力的だった。音楽系だとSpotifyGoogleなどのAPIがITの人には一般的だけれど、国産で協業の可能性があるドコモのAPI活用はとても有益だと思う。今後も使っていきたい。他にも協力してくださったパートナーの皆さんには深く感謝したい。

 SNSのインフラ化&影響力増、センサー開発技術の低廉化、人工知能のディープラーニングの進展など、テクノロジーが加速度的に進化していく時代の中で、エンターテインメントが目指すべき方向は明確だ。海外に対して周回遅れ、それも2周位遅れて、最近は中国IT企業にも送れを取っている日本の音楽業界は本格的な再構築が死活的に必要だ。
 再編が起きるX年は2021年と判断しているけれど、そろそろ具体的な像を造形しようと思う。エンターテック・エベンジェリストと名乗る僕としては、クエリエーション(創造)、マネタイズ(ビジネス)、コミュニケーション(プロモーション)の3つの面で、新たなあり方、仕組みをCarve Outする使命感を持って取り組んでいきたい。0から創ると言うよりは、彫刻家が石や材木の中に潜んでいる形を掘り起こす作業に近いような気がしていて、Carve outって言葉がしっくりくる。

参加者全員で記念撮影。笑顔が印象的だ
 今回、MHD Tokyo 2018をオーガナイズしたのは、できたてホヤホヤの会社EnterTech Lab Inc.だ。僕が言い出しっぺで、Co-Founderとして関わっている。残りの2人の創業メンバーの本業はプログラマー。僕が2014年に始めたミュージシャンズハッカソンに当時、福井在住なのに、参加してくれて以来の付き合いだ。  Mashup Awardsを率いてきた伴野智樹さんや、TECHS、ミュージシャンズハッカソンを一緒にやってきた浅田祐介さんと一緒に、今回セミナーで登壇した鈴木貴歩さん、審査員をお願いしたクリプトン伊藤さん、斉藤迅さん、ジェイコウガミさん、アソビシステム中川さんといった面々とも連携していきたい。
 EnterTech Labは、音楽に限らず、日本のエンターテインメントの未来を切り開く、クリエイターやプロデューサーや起業家のレバレッジをする役割を果たしていきたい。初仕事だったMHDTは素晴らしいネットワークとプロトタイプができて、上々のスタートだったと思う。

 人材育成という意味では、未来のエンタメに携わる「ニューミドルマン」を生み出すことにも注力したい。
 ニューミドルマンラボはオンライン+MeetUpのコミュニティーをベースによりネットワーク力を強めたいと思っている。 2014年10月のプレ講座から受講経験者は100人を超えている。時代の音楽ビジネスを志向するという共通認識は持てているはずだから、それぞれのフィールドで蓄えているであろう力を結集することができれば、日本の音楽ビジネスを良い方向に持っていけるかもしれない。
 1月からオンラコインコミュニティを始めている。3月まで無料でテスト運用しているので、是非、参加してみてください。外には出せない情報の共有や、メルマガでPick Upしたニュースを踏み込んだ解説や議論も展開していくつもりだ。



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